閑話休題

報告書 1§

 先日、マルサルドール市北広場地区にて『百眼』に特徴が酷似した存在が確認された事をご報告差し上げます。


 現場にいた内務省直轄特務機関『王の手』執行官1名、『荒野の羊飼い』団員1名、通称「冒険者ギルド」契約エージェント2名、財務省特別顧問ドトンタ・ポコンタ・ペコリンタ氏の他、複数の地元警備隊員などによって目撃されており、この件は同市において、周知の事実として認識されつつあります。


 さて今回、目撃された存在が、史実上の『百眼』と同一であるかは未だ判断出来ません。


 ご存知の通り、『名も無き魔神王』とその後継者を自称する『魔に魅入られし暴君』らによる破壊と混乱は我が国はおろか『五族連合』に多大なる被害をもたらしました。


 今回の『百眼』と酷似した存在の目撃が、新たな混乱の予兆であるならば、早急な対処、警戒が必要である事を進言致します。


 なお、状況に至る発端となった、通称「冒険者ギルド」の契約エージェントに対する詐欺事件に関する詳細は、別途、監察局より提出された報告をご参照頂きたい。


記述者 ソフィア・リンデル・フェレンディル


宛 王立図書院

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冒険者ギルドの受付さん ゆう@地球 @esperance

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