冒険者ギルドの受付さん(ドラフト版)(その7)
「今、仕事中な。こちらは依頼人のとこの使用人、ツンデリア嬢」
深々と頭を下げて挨拶するメイド服の女性。
「あ、そうなの」
からかってやるつもりが、出鼻から挫かれちまった。
なんだよ、依頼人かよ。つまらんなあ。
俺も
にしても何の依頼だあ?
「ガランのおっちゃんこそ、何やっとるん?釣り?」
「おうよ!今日は休暇をとって、釣り三昧よ。
…それで何の依頼なん。
ギルド職員として出来る事があれば、手伝っても良いぞ」
「「………」」
「?」
「猫探しの依頼を…」
「んなっ!?まさか本当に出たのかっ!?あの伝説の!!」
「あ、うん」
「そうか、そいつは……大変だな…」
「「「………」」」
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チャントスルノーラ夫人の話は長いですね〜。
わたしです!わたし!
冒険者ギルドの受付さん、ソフィアさんです!
今は受付業務を離れて、応接スペースで、優雅に午後のシエスタを嗜んでます。
え?さぼるな!ですって?
違いますよ。接客ですよ、接客。依頼人のお話相手も仕事の範囲なんですよ。
「…それでね、御者さんが言うにはねー…ねえちょっと。ソフィアちゃん聞いてるー?」
「もちろんですわ」
それにしても、夫人のお話は長いですね〜。
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ジョナサン・ティンカーフッドは猫まみれになっていた。
猫!猫!猫!ねこ!ねこ!ねこ!ぬこ!こねこ!
猫だらけ!猫まみれ!
猫を集めようとして、手持ちの
生ハムやらソーセージやらベーコンやら干し魚やら…
調子に乗ってばら撒き過ぎたのがいけなかったと思う。
来るわ来るわで、集まりすぎ!
ニャーニャーうるさい上、やたらと纏わりつかれて…
あれ?なんか和むぞ。
これ何?ああ、なんか幸せ!
と、その時!一匹の猫が通りすがる!
む?こいつは!
お目当ての猫と特徴が一致するぞ。
見つけた!
こいつに違いない!
ゆっくりと近づこうとする…
おいこら、お前らまとわりつくなよ。
可愛いじゃないか。
はっ?
通りすがりの猫と目が合う。
「………」
キシャーーー!!
「あ!待って!」
急いで追いかける。
まとわりついていた猫フレンズも一斉に走りだす。
猫の大行進の始まりだった。
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サラディオールたちはマグロ解体場まで来ていた。
ガランディールもついてきている。
解体場を駆け回る一匹の猫。
尾短かの三毛猫。
「いましたわ!ミケさんです!」
「いたな」
「よかったじゃねえか」
「ミケさんの好物、マグロの薄片の油漬けです。
サラディオール様、こちらをお使い下さい」
ツンデリアから瓶詰めのマグロフレークを受け取る。
つかつかと近づき、ツナフレークを取り出す。
「よう、ミケ、久しぶり」
「サラディオールの旦那じゃなかとですにゃ。
こぎゃんところでなんばしよっとですかにゃ」
「なんで逃げ出したん?ほらツナフレークあるぞ」
「にゃああ!ツナにゃ!うまいにゃ。
波止場に、あいつらいたにゃ。苦手にゃ」
「あいつら?」
「あいつらにゃ!羽毛の生えた嘴のある奴らにゃ。
ツナうまうま。
あいつら突くから嫌いにゃ」
カモメか?ウミネコか?それともカラスか?
港だもんなあ。漁港あるしなあ。
「なるほど。んじゃ、そろそろ帰るか」
「そうするにゃ。ん!ツンデリア嬢もいるにゃん。おひさにゃん」
「ミケさん、心配しましたよ」
ツンデリアの言葉はミケには理解出来なかったが、ニュアンスは伝わったようだ。
ミケはゴロゴロと喉を鳴らし、ツンデリア嬢に擦り寄るのだが…
突如、こだまする何者かの奇声。
「うぎゃああああああ!」
「な!なんにゃ!?」
全速力で走るジョナサン・ティンカーフッド。
続く猫フレンズの群れ。
そして、ウミネコの大群。
「「「「!!!」」」」
「みぎゃあああ!とりにゃ!逃げるにゃ!」
「あ、待って下さい!ミケさん!」
「待て!ミケ!」
「どーすんだこれ?!」
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次回は、猫探し編終了?
お楽しみにね!
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