冒険者ギルドの受付さん(ドラフト版)(その6)
俺の名は、ガランディール・サラマット。
昔は冒険者として、ばりばりやっていたんだが、歳には勝てん!
今は、冒険者ギルドの職員をやっている。
因みに妻子持ちだぜ。お嬢さん方、惚れるなよ?
今日は有給とって埠頭で釣り三昧。
ん?さっきギルドにいただろうって?
ドラフト版だ!細かいことは気にすんなよな!
おっと、あいつはサラディオールの兄ちゃんじゃねえか!
猫まみれで何やってるんだ?
それに、なかなかの美人をつれてるな!
ちょっとからかってやるか!
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ギルドのある広場から港湾地区内の渡船場のあるエリアは近かった。
道すがら、飼い猫のミケが冒険に出た経緯を伺った。
客船を降りて、桟橋の所で、餌をやろうと、猫籠を開ける。
渡船場のあるエリアは漁船の碇泊場でもある。
つまりは漁港。
お魚いっぱい!
猫籠あけた瞬間、猛ダッシュ。
うん、だいたい予想の範囲。
「…といったのが大まかな状況でして」
「なるほど。それで、ミケが向かった、おおよその場所は分かりますか?」
「桟橋を駆け抜けて、
他の乗客も行き来してまして、残念ながら…」
「……ふむ」
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ジョナサン・ティンカーフッドは彷徨っていた。
マルサルドール市は広い。
『五族連合』でも屈指の大都市で港湾都市だった。
賞金首の猫が行方不明になった港湾部は東西に広がる。町の幅とほぼ一緒だ。
その広い港湾部のうち、渡船場のあるエリアはギルドから近かったが、それでも広い。
港湾部は他の地区とは城壁で区切られている。
そのため他の地区へ紛れ込む可能性は低そうに思えた。そう思いたかった。
でも猫だしな。どうだろう。
登っちゃうよ。
走っちゃうよ。
駆け抜けるよ。
散々探し回る。
猫はたくさんいても、お目当ての猫は見つからない。
見分けがイマイチつかない。
そして、ついに途方に暮れる。
「トホホ」
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能力を駆使して、漁港の猫たちから情報を引き出すことにする。
側からみると猫と戯れているだけに見えなくもない。
え?猫も好きだけど、犬も好きだぞ。
「レンジャー必須とも言われる
何か分かりましたか?」
と、メイドのツンデリアさん。
「あ、うん。それとだいたい一緒のやつ。ちょっと待ってね」
まず、手持ちの
地元の猫たちに振る舞う。
ほどよく馴染んだところで、猫籠の中の布切れを取り出す。
地元猫たちに匂いを嗅がし確認してもらう。
「こいつにゃ。威勢の良い新顔にゃ。
マグロの生け贄を捧げる神殿の方に向かったみゃ」
「神殿?」
「ヒト族のやつらがマグロをぶつぎりにしてるにゃ。
行けば、お裾分けしてくれるにゃよ」
「なるほど。ありがとう」
「威勢の良い新顔が、マグロの解体場へ行ったらしい。方角は…」
再び能力を駆使して、場の記憶を探る。
酒盛りをする漁師たち。失敗。
もう一度。
駆け抜けるミケ。成功。
「あちらの方へ向かったようです」
「まいりましょう」
聞き慣れた声が呼び止める。
「ようよう、兄ちゃんも釣りかい?」
冒険者ギルドの職員ガランディールのおっさんだった。
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まさかのわたし未登場!
主人公なのに!
ヒロインなのに!
次回は、まだ続くんですかこれ?
お楽しみにね!
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