第三十五回 芽生える未来地図。
――それは最終決戦にあった。第二次ウメチカ戦の最終日、最終決戦の中に。
とりとめのないお話が続く僕のエッセイだけど、……何もかもが初めての世界。そして初めての出来事たちで溢れているから、まだ
御先を見据えた目標。……一年先とか。
それは千佳先輩と
今日の帰り道。つまりは第二次ウメチカ戦の最終日の帰り道。お空は黄昏る。
そして明日からは、また普通……
って、明日から夏休み、いやいや既にもう突入していた。こうして今も、怜央君と一緒にいる。同じ電車の中で、前から数えて七両目。僕は座席。僕の目の当たりで、怜央君は立っていた。何を語ったらいいのだろう? 目は口ほどにものを言うそんな様子で。
僕は思うの、このウメチカ戦を通してもっと……
もっと怜央君のことを知りたいと思った。僕の場合は何でわかり合えるのだろう? それは絵。私学展に挑むアクリル絵の中にあると思うの。……であるなら、
「怜央君、僕と一緒に……その絵を描かない?」
「ン? 絵なら一緒に描いてるだろ?」
「……じゃなくて、僕と一枚の絵。僕と同じキャンバスに描いてほしいの」
と、その途端、一気に、
または一斉に、僕らに視線が集まったの、周りの乗客の視線を。カーッと顔から火が出そうに熱くなる。少し俯いた僕の肩をポンと手を置いて、僕がまた顔を上げるなり、
「もちろん。僕ももっと
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます