第三十二回 その名前について。
――それは、
僕と同じ姓の、男の子のニックネーム。永遠の十五歳の……きっとあれが三途の川と呼ばれるものだったのかな? 僕を、グイッと引き戻してくれた男の子だったの。
去年までは……
僕には不治ともいえる病があった。身体の自由を奪われる病だ。それは呼吸も、心の臓にも及んでいた。そう思うと多分……僕は一度、死んでいたことになる。心の臓が止まったと、手術中に……と聞いたから。なら僕は、多くの人達に命を救われたのだ。
ううん、或いは蘇生の儀だった。
僕は、自由に動く体を手に入れたのだから、ビッグでこの上ないプレゼント。
それは旧号という、僕だけのヒーローが、
また命の恩人が……そして、僕の伯父ちゃんだったの。パパから聞いたから。
……
僕らが生まれるずっとずっと前から。
きっときっとだけど、旧号を中心に僕らの物語は繋がっていると思う。旧号こと、星野
しかしながら千佳先輩は語っていたの。……旧一おじちゃんは、永遠の十五歳から長い歳月の末に生まれ変わったのだと。それが令和三年七月二十三日、
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