第五章 ――交戦。

第二十一回 それだけに光線技。


 場所は、星野ほしの家……


 とはいっても千佳ちか先輩と梨花りか先輩のお家ではなく、葉月はづきのお家を示すの。



 学園からの帰り道、「夜も遅いから」と言ってお家まで、送ってくれた怜央れお君。せめて粗茶だけど御茶でも、そんな思いが芽生えて僕は……彼を引き留めて、お部屋にまで招待したの。男の子を招待するなんて、もちろん初めてのこと。



 それでもママは歓迎してくれた。怜央君のこと。


 まあ、可愛い。との御声と共に。お約束だから。



 だから安全パイの中での、オンライン。徐にPS4・5を起動する怜央君。もちろん僕のもの。そのゲーム機はね。ゲームとは無縁の僕と思いきや、最近始めたの。


 モリオカート。日曜日の夕方に、パパと一緒にプレーしている。始めは興味をあまり示さなかったけど、パパが僕を誘うので……でも、やってみるとね、結構ハマるの。


 親子のスキンシップから始まったゲーム機は、


 今、こうして太郎君と繋がった。インストールするのだ、ジャンルは℮スポーツ。すると『第二次ウメチカ戦』の、つまり体験見学をさせて頂けるってこと? ならば、しかと拝見する。その一部始終を。――広がる映像美。二次元ではなく三次元を再現……


 そして画面に現れる、千佳先輩によく似たキャラ。……フム、これがアバターか。コスチュームは魔法少女で、とても可愛い。それに対し、怜央君は「レオ!」と叫ぶ。


 すると変身。光の国からやってきた巨人のような風貌。


 すると告ぐ。怜央君自ら。「僕がウルトラ・レオなんだ」と。……でもね、何回も拝見しているわけでもなく、ましてや最終回でもあるまいし、それ今いるの? と思った。


 しかしながら次の瞬間、トラウマ映像と化した。


 宙を舞う、千佳先輩とよく似たキャラの頭部。……鮮明に、画面に映し出されていた。



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