第四章 ――通過。
第十六回 ウメチカに習うから。
――それはそれは、
気にかけてくれたの。僕だけではなく、
でも、ちょっぴり後悔……
恵比寿君は何やら泣いている様子だったの。
それを都築君が、聞いてあげながら、励ましてくれていたの。
恵比寿君は、
男の子が泣いちゃうくらいだから、
僕だと……ねえ、そう思うでしょ?
あっ、本題だったね。恵比寿君が泣いた理由。……きっと
お友達を越えた可奈先輩と梨花先輩の仲は、百合にまで至ったそうなの。真剣に真面目なまでにお友達が欲しかった梨花先輩は、恋愛にも差し掛かる程の情熱を注いだ。
可奈先輩と波長が合ったのだ。百合という波長が……
そして梨花先輩が百合な理由は、太郎君とのお別れを招いた転校が原因のようなの。初恋の子が……何と太郎君で。太郎君は梨花先輩と再び会う前に、千佳先輩と出会った。
梨花先輩と千佳先輩……
本当に瓜二つなほど似ている。彼女たちが双子ということを知らなかったら、見分けがつかないのだから、それは仕方もなく。或いは運命としか言いようもないこと。
だから、この後に続くお話も、もしかしたら運命的なことなのかもしれない。
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