第十三回 それは繋がりを齎し。


 ――喩えるなら、テレビではワンクール。このエッセイも十三回を迎えた。



 芸術部の今の人員……部員数は四名。


 中等部三年生の星野ほしの梨花りか。……部長候補となるのだけど、本人が辞退したために、現在は部長不在のままで活動は進められている。そして、僕には想像できないような野望を抱いているそうだ。それについては、彼女と一卵性双生児の関係にある千佳ちか先輩にもわからず……理解を超えた場所にあると、それだけ仰っていた。ならば……『見た目で人を判断してはいけない』という見本みたいな人。意外と謎多きお方だ。



 中等部二年生は星野葉月はづき……この僕と、本年の四月より加入した都築つづき怜央れお。芸術部で初の男子部員が誕生した瞬間だ。彼についてはこれから、知っていこうと思う。ううん、僕が初めて興味を持った男の子。だからこそ真剣に絵を学ぶ。お互い精進の日々なのだ。


 最近の情報では、都築君の下の名前が怜央なだけに獅子レオ。まさかとは思ったのだけれどね、……獅子座なの。それも一週間違いの八月生まれ。因みに僕は乙女座だ。


 七日間だけ、彼は僕よりちょっぴり大人になるの。

 そこが狙い目。


 僕らはきっと、この夏休みも作品に打ち込む。二人とも、私学展の作品に没頭する。異体なれども同じ志で進むの。……とね、この夏にはね、そんな予感がするの。


 それも女の勘だから、きっと当たってほしいから。

 今は意味不明? とりとめのないお話と思うけど、素敵なエッセイを描くの。



 中等部一年生は恵比寿えびす公太こうた。不陰気はまあ、都築君と真逆と言ってもいい。芸術部では珍しく元気な部員。そして……梨花先輩には、よく怒られている。喧嘩になることも多いけど、……共に粘土細工をしていて、息が合っていることに気付く。これもまた予感だけど、恵比寿君が何となく、梨花先輩に変化を与えそうな気がするの。



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