第3話 戦争
これからどうするか、厄介なのはアリスだけだと思っていたがまさかこのゲーム自体がな。まだその真相にたどり着いていなかったのかアリスは、となると未来なのか?礼と海利は恐らく相性が合う、組まれる可能性が出てきたな、今度こそ誰も信用できない状況になってきたな。あと二つ、バレれば終わる。このゲームを終わらせてはいけない。
恐らくだが今回は集会所に誰もいないと思っていたが未来がぽつりと座っていた。
「あ、先輩、おはようございます」
「おう、おはようだな、なかなかいい線は行ってたが外れだったな」
「あはは~ギャルだと思ったんですけどね」
わざとらしくそんなことを言う。
「本言及してみたらどうだ?もしかしたら当たるかもしれねぇぜ?」
「間違えた時の代償が大きすぎて怖いですね」
「いいや違うな、お前はこのゲームで本言及をわかっていてもすることはないな」
「な、何でですか?」
「それは自分が一番わかっているはずだ、そしてわざとあたしにそれらしい偽言及をして外した、もうここまで来てパスを使ってしまえばこのゲームの本当の意味を他のヤツが悟ってしまうかもしれねぇからな」
「……ここまで来てようやくわかってしまったんですよ、私は一分一秒でも多くこのゲームを続けさせなければならない!」
「それは素なのか?」
「私の本心です、ずっと考えていました、最初はポイントを平等に与えて全員一位になれば全員死刑は免れるのではないかと、なので偽言及は当てる気で行きました、自分は最下位でも構いません、しかし、当たれば他のメンバーにも偽言及なら点数が入る、それにみんな3日に一回しか言及してこないだろうと思っていたらまさかアリスさんから二日目にそれに会ってもないのに性格を言及をされて戸惑いました、そこからどんどん私の歯車が崩れていった感じですね…そして今日決定的なことに気づきましたね…このゲームに終わりはないと…私が最下位で他の四人が一位のポイントでも続くことに…」
「なるほどな、そうだ、このゲームはたとえ自分が-100ポイントだろうがすべての本性を暴いた時点で点数なんて関係なくなる、アリスは二日目からそれに気づいていた、いや、もしかすると一日目からすでに気づいていたのかもしれない、そして部屋にいなかったのは何かしら理由があるんだろうなぁ」
「私は盗撮とかついてきたとかしか思い浮かびませんね、あとは礼さんが言ったように裏切り者がいる可能性も捨てきれませんが」
当たりだな、その通り盗撮だな。だがこれを告白してしまうとアリスを敵に回すことになる。逆に未来への信用度は高くなる。だがどっちが黒幕かわからない以上とどめておくべきだろう。
「今日の結果で何が起こると思うかわかるか?」
「礼さんが海利さんを利用しそうですね」
「その通りだ、このゲームに年齢なんて関係ない、性格が強い人間が勝つ、弱みを握られた海利は礼に従うだろうな、今度はまだアリスのほうが信用できるぜ」
「私アリスさんと会ったことないんですけど」
そういえばそうか、アリスと会っているのはあたしと海利だけ、この話が嘘でなければな。
「なら、今から会いに行くか」
楽しいことを思いついちゃったわぁ、ちょっとピンチなんだよねぇわたし。
AテントからBテントへ向かう礼。
「海利ちゃーん、いるかなぁ~?」
甘やかすように呼ぶわたし、年上を弄る倒すのは夢だったのよねぇ、でもわたしがドSに含まれてなくてよかったわ、それ以上に尖った性質ね。独裁的、とか?
「なっ…礼」
「年下に弄られたかったのねぇ?貴方だけ点数取りすぎよね、少しくらいわたしの駒になってもいいんじゃない?このままポイント維持されたらわたし死刑確定なんですけど」
「うっ…」
「あれれぇ~昨日までの威勢の良さはどうしたのかなぁ?」
「何をすればいいの?」
「まず偽言及で確定してる未来のお題なしポイントはわたしのよ、じゃあ貴方にはそうねぇ、アリス、未来、光のうち一人に本言及三回打ってもらうわ、ターゲットは誰がいいかしら?間違えたら点数も入っちゃうものねぇ、3ポイントもあるんだから、全員未来に偽言及されて未来が圧倒的有利になるのが好かないから未来から潰す?それとも貴方が本当にアリスって子と繋がってないって保証もないしアリスから潰す?それともわたしと海利ちゃん以外で一つ本性が明らかになってる光から潰す?」
海利は考え始める。
「わたしに忠誠を誓ってくれるかしらねぇ?」
「わ、分かったわ、私は約束は絶対守るわよ、そしたら好きなことしてくれるのね?」
「いいわよ?アリスって子と繋がってはないのよねぇ?」
「もちろんよ」
「まあ、信じてあげるわ、明日の結果がわたしの指図通りに進んでいるならね、なら数を減らすわ、光からよ、何かある?」
「未来が偽言及にギャルって入れてたけど本言及なんじゃないの」
「馬鹿ねぇ、それは未来が入れるでしょう?未来は確定お題なしでフリーなんだから」
「でも未来たちに組まれていたら?」
「男喋りなんか弱みにも入らないわよ、そこから派生していくわ、あまり目つきが良くないしそういうのも含まれてるかもしれないわね、ああいう態度の人間っていじめっ子が多いのよ、いじめっ子で行きましょう」
「でも光を潰すとなれば効率が悪い、もう男喋りで一枠埋まってるから同時に二個までしか答えられない」
「さすが年上、賢いのねぇ、なら未来よ、同時に三個答えられるわ、運が良ければ他のアリスや光にもワードが引っ掛かる可能性が高くなるわ、まずあの性格が本物なのか、本言及に優しいは入れたいわねぇ、他にないの?」
「な、なら未来を使って未来のワードにいじめっ子もプラスすればいいんじゃない?」
「それはよさそうねぇ、未来に関しては優しいしかつかめないのよねぇ、念のためアリスって子と繋がってないことを確かめるためにアリスワード狙いで人見知りよ、未来に優しい、いじめっ子、人見知りを打ちなさい、分かったわね?」
「わ、分かったわ」
「言うことを聞いたら望んでほしいことをしてあげる、あははは」
「おいアリス、いるか?」
「肉ー!…?」
アリスはあたしの隣を見る。
「あ、横口未来です!アリスちゃんかな?」
少し迷った表情を見せアリスは
「はぁ…まあいいか君たちには」
いきなりの態度の変わりに未来は少し驚く。
「おそらく組んでいるだろうね彼女たちは、この性格はばらさないでくれたまえよ」
「え、あ、はい」
「ところでだアリス、あたしたちも組むか?」
「あのことは言っていないだろうね?」
あのこと?ああ、監視してたことか。
「あのことって何ですか?」
「言わなくても感づかれてるぞ、未来にはな」
「その言い草なら言ってないのだね、なら信じよう」
「あのこととは?」
「僕が君たちの行動を監視してたということだよ」
「やっぱりそうだったんですね、裏切り者がいる、とかじゃなくて安心しましたよ」
「僕と組むということはさっさとこのゲームを終わらせたいということだね?」
「いや、逆だ、このゲームを長引かせたい」
「なぜだ、なぜそこで食い違うのだ?」
「私たちは一分でも一秒でも長く生きたいんです」
「なるほど、分かり合えないな、僕とはまるで真逆の思考をしている、これなら礼と海利の馬鹿どもについて終わらせるのも考えるべきだな」
「二対三か、それは厄介だな、ちょっと日をくれ、考えさせてくれ、あたしたちが早まった」
「え、先輩、でも…」
「僕としてもさっさと終わりたいからね、いい報告を楽しみに待っているよ」
その場を立ち去った。
「なんでですか?私は少しでも生きたいです」
「演技だ、ただの時間稼ぎに過ぎない、それまでに礼達には脱落してもらい、まったくつかめないアリスにも手を打つ必要があるがボクっ娘か?それも演技かもしれないな、あたしと未来二人きりになれば三日に一度適当なワードを言って長引かせることができるからな」
「そうなると私も本言及しないといけないんですか?」
「いや、あたしはまだお前を完全に信用していない、それは明日決める、お前はいつも通り、今日したい人に回答すればいい」
「わかりました、そうしますね」
集会所に来てみたがいないよな、あいつら、今日は何も食ってねぇな、早めに撤退だ…
「今日は早めに撤退だ」
「そう…ですね」
未来の顔色が悪い、多分あたしも悪いのだろう。
鐘の合図で起こされた。22時。寝ていたのか、危ない危ないAから順に回答台へ、そしてD、あたしの番だ、アリスを選ぶのはアリスを敵に回しているようなものだ、ここはあたしにヘイトを向かせるために礼を選択。一つは威圧的だろう。だから放っておいてもいい。前の結果で威圧的な人間がいるのは確定しているからだ、もう一つは何なのか、ドSも違った、となると支配欲、征服、独裁、ここらへんだろうか、類義語になるのか?もう一つは…
翌日
鐘の音が響き渡る、もはや目覚ましだ、回答は全員している。
まずはAの回答、Cに偽言及でお題なし、もちろん正解だ。
次にB、Cに対して本言及、内容は3つ、優しい、いじめっ子、人見知り、Bに対してドS、ドМを言及したあたしが言うのもあれだがまるで正反対の回答だ、あたしも偏見でいじめっ子見たいと言われたことはあるな、ただ、この内容は優しいは未来に対して、いじめっ子はあたしに対して、人見知りはアリスに言っているようにも取れる。裏で礼の指示か通っているな。優しいは正解で他は外れである、追記事項もなし、礼はいじめっ子の線も疑っていたが一つ選択肢が潰れてくれた。
続いてC、昨日の件もあるのかアリスは刺激しないようにあたしに偽言及、お嬢様気質、と来たか、なるほどな、あたしには程遠いな、あたしの引いた偽性格はお嬢様気質ではない、外れだ。
続いてD、あたしだ、Aに対して本言及、独裁的、感情的の2個を打った。どちらも外れだったがどちらにも追記事項があった。独裁的の追記事項、Aよりも独裁的なプレイヤーがいるため外れ、感情的の追記事項、感情的の意味に非常に近いワードを持つプレイヤーがいるため感情的自体は外れだが感情的に近い意味のワードを持つプレイヤーは存在する、とのこと。自分でゲームを終わらせに言っているような気がする。感情的に近い意味のワードを持つプレイヤーが未来じゃないことを祈る。
最後にE、Cに本言及、優しい、創造的、忠誠度が高い。アリスは未来を初めて見た時に素直にそう思ったということだろうか?優しいは正解で忠誠度が高いに追記事項、Cよりも忠誠度が高い人物がいるため外れ。忠誠度が高いは海利に向けて言っている気もしなくはない。
途中結果
A 1ポイント
B 2ポイント
C 1ポイント
D -4ポイント
E -4ポイント
偽性格
A お淑やか
B 暴力的
C お題なし
D ??? お題なし×ギャル×お嬢様気質×
E ??? お題なし×
本性
A 生意気 ??? ??? 独裁的×(他のプレイヤー)感情的×(他のプレイヤーが近い意味のワードを持つ)
B ドМ ??? ??? ドS×挑発的×
C 優しい ??? ??? いじめっ子×人見知り×創造的×忠誠心が高い×(他のプレイヤー)
D 男喋り ??? ??? 中性的×威圧的×(他のプレイヤー)
E ??? ??? ???
ポイントではBが優勢、Aも盛り返してきてCと並ぶ。あたしとEは絶望的だ。
だが、偽性格面、本性面ではEが完全に有利を取っている。
今回は未来が集中砲火を浴びせられたが本性は一つしかバレず偽性格も一択しかなかったため実質本性が一つバレた程度か、だが優しいが本性なら信じるに値するな。良い意味で本性がバレたというべきか。
私は昔から学校でも優しい、優しすぎると言われ続けた。だけどそんなのは偽善で私はたとえ優しかったとしても善人ではない。このゲームの最後を理解してしまっているのにも関わらずパスも選択せずに偽言及で誤魔化しているからだ、これは礼さんたちと話し合わなければならない。私はAテントへ向かう。Aテントにはくつろぎながら礼さん、さっき来たかのように海利さんが話し合っている。私は一歩を踏み出す。
「あ、おはようございます」
「へぇ、まさか未来が来るとは思わなかったわ、光と組んでる線も考えてたんだけれどねぇ、それとも本性がバレて少し焦りだしたのかしら?わたし達と組む?」
「いいえ、全員で協力しましょう、このゲームはパスも使えるんですよ?」
「随分と弱気ね、まだ気づかないの?このゲームのパスは飾りよ、より多くのポイントを手にしたプレイヤーこそ勝利を掴める」
いいや違う、そんな説明は何一つなかった。救済措置は自分の本性を当てられたプレイヤーを最後まで生き残されないことだ。私の場合優しいを当てられたアリスさんと海利さんを生き残らせないということになるが、礼さんの本性、生意気も海利さんに当てられている、よって礼さんがいる限り海利さんを確実に一位にさせることはないだろう。少しずつ核心に迫る。
「全員でパスを利用してゲームを長引かせるんです、可能性は5分の1なんですよ?それに本当に一位になった人だけが助かる保証もありません」
「何が言いたいのかしら?もう勝ち筋がなくなった?」
「よく思い出してください、ルールに一位だけが生き残れる、一位だけが元居た場所に帰されるなんて一言も書いていませんでしたよ?なので一位が決まった瞬間一位に本性を当てられた人間だけ死刑される、残酷すぎませんか?」
「でもアリスって子も協力してくれるのかしら?第一貴方は海利とアリスから同時に二人から暴かれたものねぇ、慌てるのも無理はないわ、冷静さが欠けているんじゃないかしら?今の貴方と話してても時間の無駄よ、失せるがいいわ」
「協力は…してくれないんですね?」
「もちろんするわけないわよ」
「そうですか、後悔しますよ?ここにいる全員が」
「その言葉だけ受け取っておいてあげるわ」
哀れねぇ、素直に負けを認めればいいのに、渋々と未来は帰っていった。
「確かに、一位だけが戻れるって書かれてなかったわね」
海利まで動揺している。
「海利まで未来の言葉を真に受けるとか馬鹿なの?」
「だって一位については何の表記もないしポイントについても」
「なんだと、わたしに逆らう気か?」
「ひぃっ」
ゾクリと海利が後ずさる。
「そうでなくても貴方はすでにわたしに打ってくれてるんだから勝たせるわけにはいかないわ、貴方に打っても構わないのよ」
「自分でも答えがわからないのに私の本性がわかるっていうの?」
「今後のために、試しにわたしは貴方に打つわ」
「わ、分かるものなら」
「それよりもよ、今日はアリスの3枠を使って片っ端から選択肢を潰していくわ。確か性格特徴だけじゃなく生まれや育ちもありだったわよね、意外なところに答えはあるのよ、お嬢様、貧乏、とりあえずこの二つは確定よ、他に思い当たるものはないかしら?」
「確かにお嬢様育ちだったり貧乏暮しはあり得るかもしれない特に未来にお嬢様は当たりそうね」
「わたしにはお嬢様は当たらないって意味ね?」
「そ、そう意味じゃ…じゃ、じゃあ冷静とかどう?」
「冷静ね、今日の未来は冷静さに欠けてたけど二人から当てられたらいくら冷静でも冷静じゃいられなくなるし光もあまり慌てたところも見たことないしアリスって子も的確に当ててくるあたり冷静は誰かに入ってるわね、それで決まりよ、今日はお嬢様、貧乏、冷静をアリスに打ちなさい」
「わ、分かったわ」
今日のあたしと未来は体力を振り絞って釣りをする。もうそろそろ餌が尽きそうだ。
「釣りってかからないときはつまらないですけどかかったときはすごく楽しいですよね」
「今日は小さいが結構かかってるほうだ、礼と海利のはいいか、二人で何とかしてるだろう、アリスのは信用度を上げるためにもっていかねぇとな」
「礼さんと海利さんに会ってきましたよ、顔色は大丈夫でした、協力申請を申し出たんですけどやっぱり駄目でしたね…完全に礼さんが仕切ってる感じでした」
「元から礼に関しては協力の余地がないのは分かっていた、ただ意外だったのは例が独裁的じゃなくそれ以上に独裁的な人間が他の四人のプレイヤーの中にいることだな」
まさかあたしじゃないだろうな、などと思いつつ魚を釣り上げる。すると急に未来のタブレットからアラームが鳴りだす。
「え?あ?充電が、回答台に一人で来てくださいって書かれているので行ってきますね」
「お、おう」
嫌な予感がする、だがこの予感が外れていたら確実にポイントは無意味ということだ。数分後、未来が帰ってきた。
「すごいですね、一瞬でバッテリーが充電されましたよ」
「なるほどな、これでポイントが無意味なのが証明されたな、制限時間はタブレットの充電が0になる可能性は否定しきれなかった、0になった時点で特殊ルールとして脱落、あるいは全員が0になった時点で一番ポイントが高い人物が一位という可能性も十分にあった、だが今回の件でその線は消えたな」
その線もあってかあたしはタブレットを必要の時にしか見ていなかったためバッテリーは半分も切っていないが充電できるならタブレットの撮影機能、録画機能と様々な機能が問題なく使えるということが分かった。
「ちなみに何%でアラームが鳴りだした?」
「だいたい20%ですね」
安全圏内は25がギリギリか、そこで一旦引き上げて充電しに行けばいいんだな。明日からはタブレットという武器を持って行動することが可能となるが、一日無駄になるかもしれないが確認しておく必要がある。
「おい未来」
「どうしました先輩?」
「もし今日のあたしの回答で明日の結果に当てはまる人物や追記事項がなければ一人行動をしようと思うが一人で平気か?」
「はい、大丈夫ですよ、私のことは気にせず」
悩みの種、タブレットのバッテリー問題が解決したことにより一気に行動範囲が広まったな、どんな機能があるかチェックしておくか。
今日も同じ魚を食べる。昨日食べてない分随分と回復している気がする、アリスにはあたしが焼き魚を5本届けることにした。
「おい、アリス」
ちらっと顔をのぞかせてくる。
「なんだ君だけか」
「ほら、今日の分だ」
「昨日はなかったじゃないか、お腹がすいて死ぬかと思ったんだぞ」
「あのなぁ、持ってこられるのが当たり前みたいに言うな」
「まあいいか、答えは決まったのかね?」
「未来がいない今ここで決めてしまうのはおかしいだろ?」
「それもそうだね、でも明日にはもう動いているかもしれないよ、僕は気が早いからね」
「どちらかと言えば礼寄りってことだな」
「そうなるね、礼とだけは直接話したことはないけどあまり好きなタイプとは言えないな、どちらかと言えば君たちの陣営に入りたいのが願望でもあるけどね」
「それが嘘かどうかはさておいて今日は未来がいないから同盟も敵対もなしだ、飯だけ持ってきただけだ」
「感謝するよ、お礼に今日入れるのは未来ということを教えておくよ」
それだけ言い残すと魚を受け取りアリスはすっとテントの扉を閉めた。
今回は未来に入れるのか、あたしはもう決まっている。
22時、Aから順に回答台へ上がっているだろう。そしてD、あたしの番、あたしが入れたのは安全策の…
翌日
鐘の音が響き渡る。
どう動いているだろうか?
まず初めに驚いたのは仲間同士であるAがBに対して本言及で忠誠心が高いを回答したこと。当たりである。礼は海利が裏切る人物かどうか安全策の意味と裏切ったらあと一択なのでいつでも脱落させられるよう脅迫の意味合いでいれたのであろう。
続いてB、Eに対して本言及、3つ、お嬢様、貧乏、冷静、すべて外れだ、追記もなし。生まれや育ちを潰しに来ている、おそらく礼の指示だろう。
次にC、Eに対して偽言及で素直、外れだ、未来はゲームを終わらせないため偽言及で攻めている。
そしてDのあたし、Bに対して類義語扱いされるかもしれないが本言及、暴力的、殺人的、外れ。追記は…なしだ。これで知らないうちにもめ事が起きても暴力には発展しないだろう。
最後にE、Cに本言及、家事が上手い、マイペース、なかなか鋭いところを突くアリス。しかしどちらも外れだ。そこまで尖って家事が上手いわけではないということか。マイペースはあたし狙いだろうか。
途中結果
A 2ポイント
B 0ポイント
C 2ポイント
D -6ポイント
E -4ポイント
偽性格
A お淑やか
B 暴力的
C お題なし
D ??? お題なし×ギャル×お嬢様気質×
E ??? お題なし×素直×
本性
A 生意気 ??? ??? 独裁的×(他のプレイヤー)感情的×(他のプレイヤーが近い意味のワードを持つ)
B ドМ 忠誠心が高い ??? ドS×挑発的×暴力的×殺人的×
C 優しい ??? ??? いじめっ子×人見知り×創造的×家事が上手い×マイペース×忠誠心が高い×(他のプレイヤー)
D 男喋り ??? ??? 中性的×威圧的×(他のプレイヤー)
E ??? ??? ??? お嬢様×貧乏×冷静×
ポイントではAとCが一位に並んだBは0ポイントだがこれから一気に振り回されることだろう。-点が予想される。Eは-4ポイントを維持、Dのあたしは絶望的な-6ポイント、最下位。
偽性格面、本性面ではBが圧倒的不利、Eは何一つバレていない、Eの有利は覆せない。
さて、あたしは単独行動開始とするか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます