書きたいお話だけ書く Part2
登場人物
冬咲桜(ふゆさきさくら) 今回の主人公。好きな色はピンク。
月城美鈴(つきしろみすず) 好きな色は水色。恋をしている・・・?
飛翼甘青(ひばさあまお) 通りすがりの大人。弟と妹がいる。
弟くん 甘青の弟。下に妹がいる。
「もうすぐ七夕か〜」と美鈴ちゃんが呟いた。
「そうだねぇ」
とあるショッピングモールの広場の中央に背の高い竹とその下には机が置かれている。
よく見ると机の上にいくつかのペンと短冊が数十枚置かれている。
美鈴ちゃんが指をさして「せっかくだし書いていかない?」と言った。
「うん、いいよ」
私達は好きな色の短冊とネームペンを取った。
私はピンク色の短冊とネームペンを手に取った。
チラリととなりを見ると、美鈴ちゃんは水色の短冊が無かったのか黄色の短冊とネームペンを手にしていた。
「いざ書くぞ!ってなると、全然思いつかない‥‥。桜ちゃんは書けた?」
「ううん、まだ」
それから5分後・・・、
「よし、書けた!桜ちゃんも書けた?」
「うん、書けたよ」
私達は書いた短冊を吊るすために少し移動した。
私は背伸びが出来るぐらいの位置に吊るした。
「美鈴ちゃんは何処に吊るすの?」
迷っている彼女に声をかけた。
「うーん、高い所に吊るしたいんだけど、届かないんだよねぇ」
すると、メガネをかけたお兄さんが「俺が掛けてあげるよ」と美鈴ちゃんの手にあった短冊を手に取って「どの辺に掛けたらいいかな?」と美鈴ちゃんの返事を待ちながら言った。
彼女は突然のお兄さんの登場に驚いていた。
「あっえっともう少し高めにお願いします」
「この辺?」
「あっはい、その辺です。ありがとうございます」
お兄さんは「気にする事はないよ」と言った。
「困っている人を放っておけないからね」
すると、遠くで「おーい、兄貴!何処に居るんだ!」と少し高めの男の子の声がショッピングモールの広場に響いた。
「俺の自慢の弟なんだ」
お兄さんはニカッと笑うと「また、どこかで」と言って弟くんの方へ行ってしまった。
弟くんは怒ってお兄さんの足を踏んだ。
「兄貴、何処に居たんだよ」
お兄さんはあまり気にした様子もなく言った。
「困っている人を助けただけだ」
「・・・兄貴、ごめん」
美鈴ちゃんが「あんな感じの大人になりたい!」とキラキラした目で言った。
「ああいう風な大人になりたい!」
「うん、なりたいねぇ」
「そういえば、桜ちゃんは願い事何書いたの?」
「秘密かなぁ。美鈴ちゃんは?」
「私も秘密!」
「お互い叶うといいねぇ」
「そうだね」
言えないよ、だって私の願い事は
「友達の恋が実ります様に」って。
終わり
書きたいお話だけ書く 紫暗 @tunagu
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