魂の叫び
すぅ……青木くんの息の吸う音まで聞こえる。
「ボクっ娘とかっっっ!!サイッコーーかよぉぉぉ!!」
「「「「サイッコー!!」」」」
まさかの事態に目を丸くする。私の…「ボク」を認めてくれている…?
「日高さん。校門から入ってきた時からずーっと思ってたんだけど。」
青木君が私に語りかけてくる。
「ボクっ娘で?ロリっ娘で?サイコーやないですか…」
「ぇ…と。」
上手く声が出ない。
「君のような奇麗な子に出会えただけでもう…高校生活が楽しみでたまんないよ!」
顔が赤くなるのを感じる。勿論、励ましてくれてるんだろう。それでも褒め過ぎなぐらいの言葉に茹だっていく。
先生がおもむろに口を開く。
「日高。ここに来てる奴らはお前を笑ったりしない。嘲る事はしない。お前はお前なんだ。ボクと呼ぼうが声が出づらかろうがコイツらは気にしてないぜ?なぁ?」
「「「「「はい!」」」」」
…なんて、暖かいんだろうか。私を全面的に認めてくれている。私らしくある事を認めてくれている。
「あぃがと…ごぁいまぅ」
上手く言葉にはならなかったかも知れない。それでもみんな拍手してくれたんだ。涙が止まらなかった。
「あのぉ…私はもう自己紹介しなくてもいい…かな?」
申し訳無さそうに声をかけたのは残っている一人…なのかな?
「軽くだけ。私は日並。絵が得意なの。よろしくね!」
私とは違って明るい女の子のようだ。私は涙を拭きながら大きく頷いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます