魂の叫び

すぅ……青木くんの息の吸う音まで聞こえる。

「ボクっ娘とかっっっ!!サイッコーーかよぉぉぉ!!」


「「「「サイッコー!!」」」」


まさかの事態に目を丸くする。私の…「ボク」を認めてくれている…?


「日高さん。校門から入ってきた時からずーっと思ってたんだけど。」


青木君が私に語りかけてくる。

「ボクっ娘で?ロリっ娘で?サイコーやないですか…」


「ぇ…と。」


上手く声が出ない。かすれた声しか出ない。


「君のような奇麗な子に出会えただけでもう…高校生活が楽しみでたまんないよ!」


顔が赤くなるのを感じる。勿論、励ましてくれてるんだろう。それでも褒め過ぎなぐらいの言葉に茹だっていく。

先生がおもむろに口を開く。


「日高。ここに来てる奴らはお前を笑ったりしない。嘲る事はしない。お前はお前なんだ。ボクと呼ぼうが声が出づらかろうがコイツらは気にしてないぜ?なぁ?」


「「「「「はい!」」」」」


…なんて、暖かいんだろうか。私を全面的に認めてくれている。私らしくある事を認めてくれている。


「あぃがと…ごぁいまぅ」


上手く言葉にはならなかったかも知れない。それでもみんな拍手してくれたんだ。涙が止まらなかった。


「あのぉ…私はもう自己紹介しなくてもいい…かな?」


申し訳無さそうに声をかけたのは残っている一人…なのかな?


「軽くだけ。私は日並。絵が得意なの。よろしくね!」


私とは違って明るい女の子のようだ。私は涙を拭きながら大きく頷いた。

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