校門前にて…
…そして
2階建ての寮になっていて、あんまり利用者はいない事を想定してか、1階は男子、2階は女子の合計10部屋しかない。そのちんまりとした空間がとても落ち着く。
入寮者は私と正義、あと1人いるらしいんだけど、まだ出会ってない。…人、ホントにいるのかな?
寮の外で待ち合わせして、学校まで正義と歩く。
「この辺、分かるか?」
正義が私に問いかける。
「受験の時にも来たんだろうけど…緊張もしてたし、あんまり覚えてないよ。」
とにかく分かるのはとてつもない田舎って事ぐらい。
寮と学校は目と鼻の先って言っても良いぐらいに近かった。でも、その距離でさえ、正義がいないと不安だった。
校門前になって、物凄い不安に駆られてきた。もしかしたらまたいじめられるんじゃ、話せない奴なんて絶対良い気持ちは持たれないよね、正義に迷惑じゃないかな…考え出すと止まらない。
不安が顔に出てたのか、正義は励ましてくれた。
「心配すんな。俺がいる。」
「でも…迷惑いっぱいかける気がするの。話せないし…」
「まだそんな事考えてたのか?俺はお前の用心棒だ。任せろ。」
信頼はしてる。でも、でも…足が
「なら選べ。今から俺に担ぎ上げられて注目の的になりながら入門するか、俺の後ろに隠れながら付いてくるか。5秒で出発するからな。」
「うー…分かった。行く。」
そう言われると動かざるを得ない。勇気を振り絞って…悪い妄想は忘れて正義の後を付いていったのであった。
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