第6話 合言葉とアイス

今日も部活を終えて約束通りまたあのコンビニで山下に会いに行った。


「少し遅れたかな!?」

「はっはっ!!」


「あっノイル君!!」


「ごめん少し遅れた。」


「全然待ってないよノイル君。」


そんなはずない。


「この間はごめん。いきなり怒鳴ったりして。」


「私は気にしてないよ。」


「ちょっと待ってて。」


そう僕は言ってその場を離れた。


そして、


「はい。これ。」


「なんと!!これは私の1番大好きなチョコアイスではありませんか!!」


すかさず山下はチョコアイスを食べ出した。


「うまいか??」


「うん!!ノイル君の味がする!!」


意味が分からん。


だいたいちょっと妹の雪美に似てないか。


失礼だけどなんかちょっと変だし。


「でもお前のアイスを食べてる姿ちょっと...」


「ん!?なーに??」


「いや、なんでもない。」


「男だったらはっきり言う!!」


「言わない。」


「ま、それくらいいいけどね。」


なんかさっぱりした感じだな。

根にもたないタイプだろうか。

俺はそういう子が...


「あの...ノイル君...」


「ん??どうした??」


「いや、いつも私おっちょこちょいでこの間も迷惑かけちゃったからお詫びにこのうちわをあげるね。」


何!?俺の好きなアニメのうちわじゃないか!!


「俺は大丈夫なのに...でもありがとう。大事にする。」


しかし山下は、


「もう私ノイル君に迷惑かけたくないの。それくらい私はノイル君の事...ごめん...私の連絡先も消していいから。それじゃあ...」


「待て!!」

「何勝手なこと言ってんだよ!!確かにお前は抜けてたりするかもしれない。でもそんなところ踏まえて俺は...」

「好きなんだと思う!!」


俺は何を言ってんだ。


すると山下は俺を抱きしめてくれた。


「ありがとう...ノイル君...」

「私も好きだよ...」


「泣くなよ。君の連絡先は消さない。またここで一緒にアイスを食べよう。なんか思いついたんだけど、合言葉は...お互いを愛するつまり...」


「愛すだ。」


「ダジャレじゃん...」


「ははは。そうだな。」

「でも何か俺たちにあったとしてもこの合言葉だけは忘れるな。」


「ありがと...大好きなノイル君...」



そうして今までの僕たちにとって最高の日を終えた。



ふん。かっこつけて。

お前は俺。

俺はお前なんだぞ。

いつの日か俺こそが完璧なお前になる。

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