第4話 タピオカと本音

僕は家に帰った。


「お帰り野井流。晩ご飯...


あら..あの子...」


僕は今日の晩ご飯は食べなかった。

食欲があまりなかった。



そして部屋に入り妹の雪美の姿がなかった。


ほっと一息つくと天井から何か降ってきた。


「じゃじゃーーん!!!」


雪美だ。


「雪だけに雪美が降ってきました!!」


「・・・」


つまらん。


「あれー??いつもみたいにツッコミないのお兄ちゃん!?」


「そんな気分じゃねぇんだよ。」


「なんかあったんだね??

ほれタピオカ。」


「お、おぉ悪りぃありがとう。」


雪美が買ってくる冷凍のタピオカは美味いんだよな。


そしてついつい僕は言葉を開き、


「あのさ、お兄ちゃんやっぱ悪いやつなのかな。」


「いや。私はお兄ちゃん悪い人じゃないと思うよ。いつものお兄ちゃん好きだよ。」


僕は妹が今まであまり見せて来なかったその一面で少し涙もろくなってしまった。


「何があったかわからないけど、お兄ちゃん。辛い時は泣いていいんだよ。」


「ありがとな...雪美...」


雪美はいい子だな。

さっきの言葉ずっと忘れないから。

でも山下も...



そして僕は涙もろくなりながらもそっと眠りについた。

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