05話 眷属化
レイカが二人に力をあげればと言ってきた。
「アデル様!二人にお力をあげる事は出来ないのですか?」
え?そうか!眷属化か。出来なくはないが二人は良いのかな。
取り敢えず眷属化の説明を二人にする事にした。
それには二人に俺がこの世界に転生した事、仲間を増やして多種族が仲良くできる国を作りたい事。その為には人族に対抗する力が必要な事。
二人は真剣に聞いてくれている、最後まで話して二人の顔を見ると涙を浮かべていた。え?なんか変な事言ったか?と考えているとシズネが話し出す。
『申し訳ありませんアデル様、人族でその様な事を言ってくださる方を知らなかったので私もカノンも戸惑ってしまいました。私としましてはアデル様が嘘をつく様な方には見えません、何より私達を救ってくださった方のお力になれるのなら幸せに御座います。是非とも眷属にして下しませ。』
シズネは俺の力になりたいと言ってくれた。
『おいシズネずるいぞ!!私は人族を嫌いだが二人は信じられる。私も是非お願いしたい
主人様って・・カノンには嫌われているのかと思っていたが、ただ気難しい性格なだけだったみたいだ。
カノンは一人言で「主人様とレイカは人族じゃなく化け物だとか言って笑っている」それを聞いてシズネがカノンを窘め、レイカは苦笑いを浮かべている。本能的に強者がわかるのかな?いや魔力感知みたいなものか。
異世界にきて1日で3人の主人になってしまった。
まあ美少女3人に慕われるのも満更ではないな、うん。
まだ辛いとは思うが笑顔を見せる二人を見て少し安心した。
そいえば、他のみんなはいいのかと気になり聞いたら『『問題ないです(御座いません)』』との事でした。
まあトップが決めた事が全てなのはどの世界でも同じって事だ。
異論の声もないので二人を眷属化させる事にした。
「それじゃあ二人とも宜しくな!眷属化!!」
ついでに禁書辞典を使い二人に合ったスキルも付与する。
俺がスキルを使うとレイカと同様二人が光出した、俺の方は少し気怠い感じになる。これは前回と同じだった。
しかし違うのは部下の人狼族と人狐族も少し光っていた。
確認すると群れの長を眷属化させるとそれに従う配下も眷属になるとの事だった。
俺が自分の能力に驚愕していると光が収まった、二人を観察するとレイカ同様前より綺麗になった気がする。
あちこちにあったキズも消えて、髪や耳にも光沢がある。
後は魔力の量がさっきとは大違いだ、今なら魔力を纏うだけで竜と戦えるんじゃあ・・・
二人は強くなったのが分かったみたいで嬉しそうにお礼を言ってきた。
『アデル様ありがとう御座います。この力はあなた様のために使わせていただきます』
シズネは真面目である、カノンはこれで主人様の敵を倒せる!とか物騒な事を言っている。
二人に許可をとり天眼でステータスを見てみる。
名前 カノン
種族 神狼
影響値 1220万
属性 アデルの眷属
スキル 世界系 雷鳴世界
身体強化、空間収納、思考加速、自動治癒、魔力衣、魔力感知、飛行術、人化、雷系統全ての魔法を応用可能。
名前 シズネ
種族 神狐
影響値 1360万
属性 アデルの眷属
スキル 世界系 爆炎世界
身体強化、空間収納、思考加速、自動治癒、魔力衣、魔力感知、飛行術、人化、火系統全ての魔法を応用可能。
もう驚かないと思っていたがやり過ぎたか?
最早種族が人じゃないが・・・まあ気にしても仕方がないか。
二人もレイカと似た様な感じになっている。
少し違うのは人化というやつだ。
これは簡単にいうと見た目が人族そっくりになる。元から二人の外見は人と大して変わらないので耳を隠せるだけみたいだな。
それよりこの状態で裏切られたら・・・ああ眷属になると俺に害を与える事は不可能なんだったな。なら問題ないか。
因みに配下の子達は1人ずつが人狼から人狼王、人狐から人狐王に進化していた。
やっぱり素質や今の魔力量によって進化先も決まるみたいだ。
そうなるとカノンとシズネには素質があったのか、今一その基準だけは分からないな・・他にも理由があるかも知れない。
色々考えていると3人が騒ぎ出した。
どうやらレイカが二人に俺から剣を貰った事を自慢したのが原因みたいだな。
なにしてくれてるんですかレイカさん・・・
凄い勢いでカノンとシズネが顔を近づけてくる。
男どもならわかると思うが悪い気はしない、ニヤニヤしそうなのを我慢して二人に向き合う。
『『アデル様(主人様)レイカだけ武器もなんて狡いと思います』』
お二人とも息ぴったりですね・・・なんでレイカはドヤ顏なんだよ。性格変わってんだろ!いや今まで出してなかっただけか。
「いやほらレイカは最初戦う力が無かったからね・・でも二人は大丈夫かなって。あはは」
この状況は笑って誤魔化すに限る、そう!誤魔化せればの話だけどね。
・ ・・美少女二人に睨まれるのは精神的に辛い、すぐに諦める事にした。
「分かったよ!!分かったから離れてくれ。何か希望はあるのか?」
鏡なんてないから分からないが今の俺は顔が真っ赤だろう
そういえば俺ってこっちの世界に来てから自分の顔を見てないが最初に作った顔なのだろうか?
大変な事だらけで容姿の事を考える暇もなかったからな。
まあいい!今は武器だ。まずはカノンからだ。
カノンのイメージは“俊敏”と“雷”だな、シズネは“和”と“炎”にする。
なんで“和”なのかというと服装が着物みたいだったからだ。
単純だって?良いんだよ。
そうしてスキルで武器を作成した。
『
カノンをイメージして出来たのは黄色よりも薄めの色をした双剣だ。
次はシズネだ。
『
シズネの武器は紅色に輝く日本刀の様な刀だ。
神話級の武器をこんなに簡単に作って良いのか不安になるが二人をイメージして出来た武器だ。この二人には神話級を持つ資格がきっとあるのだろう。
武器を手渡すと二人は満面の笑みを浮かべてお礼を言ってきた。
そうして二人は武器の性能を確かめたり、試し切りをしている。
そうこうしていると辺りは大分暗くなってきたので二人の配下と野営の支度をする。見張りは配下の人達がしてくれるみたいだ。
食事は二人の配下が果物を取ってきたり、狩をして得たりした肉がメインだ。
俺たちは食事をする必要はないんだが、ぜひ食べて欲しいと言われ頂いた。
味が薄いな・・・まあ緊急時だから調味料が揃ってないのも仕方ない。
ここは前世と違ってあまり食のこだわりが無いのかもな。
食事を早めに切り上げて眠りにつく。
1日がこんなに長かったのは初めてだな、目を閉じてそんな事を思っていると直ぐに眠りに落ちた。
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お読み頂きありがとうございます!
武器やスキル名はセンスが無いかもしれませんが大目に見てください。
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