03話 魔森林


「その前にさ、このまま魔森林ましんりんに入るのはまずいよね?」


服自体は清浄の魔法を使えばいいし、いざとなったら俺のスキルで服ぐらい作れるだろうし何とかなる。防御面も自動治癒があるから平気だと思う。問題は武器だ。

いきなり戦闘になる可能性もある。武器は欲しいな。


「レイカ!武器を作ろうと思うんだが何か希望はあるか?」


先ずはレイカに希望があるか確認する。


「出来れば剣がいいです」

良かった斧とか言われないで。そんなレイカ見たくないからな。


「わかった。武器創造」


さっき武器を出したスキルを使用する。

武器を生み出すイメージは“白”と“光”にした。なんとなくだ。

すぐに武器は出来た。


白く輝くその剣はみるものを惹きつける。

すぐに天眼で確認してみる。


白光剣はくこうけん 神話級(ゴッズ)光属性』

これヤバすぎない?凄いのは予想してたけど神話級って何だよ!!

調べたくなかったけど調べたよ!衝撃だよ。


そこで分かったのが武器にも等級があるらしい。


武器等級

一般級(ノーマル)

希少級(レア)

特質級(ユニーク)

伝説級(レジェンド)

神話級(ゴッズ)

これが世界の常識らしい。


人族の鍛治に特化した職人が丹精こめて作った武器で特質級らしい。

この世界の武器は長期間魔力を吸収していると等級が上がる事もあるんだって。

それでも国宝クラスでも伝説級らしいのだが・・・神話級にもなると武器自体に再生機能もついているみたい・・・


「これを本当に頂いて良いのですか?」


レイカがオドオドしながら聞いてきた。俺もこんなのくれるって言われたらオドオドする自信があるもんな。


「せっかくレイカの為に作ったから使ってくれ。」

レイカの希望とレイカのイメージを込めたので気に入ってもらえると思う。


「ありがとうございます。必ず使いこなしてみせます!」

気合が物凄いが程々にね。と伝えることは忘れない。

これでレイカの方は大丈夫だろ。


問題は俺の方かもな・・・さっきはとっさに剣を出したが、今までの経験だと普通の剣では無いと思う。

俺は先程出した剣を見た。


神創宝剣しんそうほうけん 創世級(ジェネシス)全属性』



はああ!?見なかった事にしよう。


さっきので周りに被害がでなくて良かった・・・いや本当に。

しかも創世級って何だよ!


神話級が一番上なんじゃないの?文句も言う相手もいないので納得するしかなかった。レイカも鑑定があるので見てるのだが驚いてないどころか「当然です」とか言ってる。


そこで気になっていた自身のステータスも恐る恐る確認する。


名前  アデル

種族  神王

属性  神を統べる者

影響値 7700万

スキル 伝説級 伝説創造

禁書辞典、身体強化、空間収納、思考加速、自動再生、魔力衣、魔力感知、飛行術、清浄、天眼、眷属化、武器作成、スキル付与、スキル創造、全属性の魔法の応用可能。


※影響値 この世界に与える影響力。魔力量、スキル、種族などを加味した数値

※天眼 ステータスや物の価値を見る事ができる。隠蔽は不可

※眷属化 敵対行動不可、種族進化、魔力量増加

※創造 自身の魔力を消費しイメージしたスキルを創造する力

※空間収納 自身の魔力で作った空間に物をしまえる力

※魔力衣 自身のイメージした衣服を魔力で作り出す能力、基本的には高位の種族しか使用出来ないと言われている。防御力も魔力量で変わる。


ちなみにこの世界の属性は、光、闇、火、水、風、雷、土、無、聖、時らしい。

※無は身体強化などの肉体系から生活魔法まで幅が広い。

※時は未来予知や予知夢。最上位は時間停止。

※聖は癒す力、回復関係。


うん。これはあれだな。神だ。いや神の王だな。

いやいや。異世界特典だな!この力を悪いことに使わなければ問題ないだろ。そう考えずにはいられない能力である。最早チートでさえぬるいのではないか?

まあ良いや!とりあえず準備完了だ。


「レイカ。そろそろ行こうか?」


「はい。行きましょう!」


こうして俺たちは魔森林に足を踏み入れるのだった。

魔森林と言うからには薄暗くジメジメしていると思っていたが、そんなことはなかった。


「思った程暗くないね」

イメージとかけ離れていたので思わずレイカに話しかけた。


「そうですね。私ももっと怖そうな所かと思ってました」


太い木々が並び立ち周りの景色が変わらない。

レイカと周りを警戒しながら森を進んでいると色んな場所で魔力感知に引っかかるが、魔物がこちらに来る気配はない。


「もしかすると魔物たちは本能で危険を認識しているのかもしれませんね」


確かにその可能性は高いのかな。魔力感知の様なものを魔物も使えるのかもしれないな。前の世界の動物も本能で強いものが分かるとTVで見た気がした。


「そうかもね!無駄に戦いならなくて安心してるよ」


襲われたら戦わないといけないけど無駄な殺生はしたくなかったのでほっとしている。普通の魔物なら勝てる自信はあるけど、レイカも俺も怪我はしたくないからね。


そうして5時間ほど歩くと大きな湖が見えてきた。


景色があまり変わらなかった事もあり少し飽きていたので嬉しくなり歩く速度が上がる。

スキルに魔力を感知するものがあったので使いながら歩いていた。

集中が必要なので常に使っていることは難しいが。


大分歩いたのでレイカと少し休憩しようと腰を降ろそうとした瞬間、魔力感知にかなりの反応があった。


「気付いたか?すごい数の反応だな」

魔力感知にかかった反応は100を超えていた。


「多分ですが亜人だと思います」


俺も感覚的にそうだと思ったのでレイカに同意する。

まだ見ぬ亜人に心躍る。


そこまでは良かった。やっと亜人に会う事ができるのだから。


衝撃が走ったのはその直後だ、大きな翼を生やした空飛ぶ生物。

そう前の世界で竜と呼ばれている生物が上空に現われて地面を攻撃している。


何故か竜は苦しそうに暴れなら攻撃している様だった・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る