目が覚めたら身体が縮んでたなんて某探偵漫画みたいな事が起こるなんて……

  ん……?ここは……?目を開けるとそこは見慣れた天井……ここは……私の部屋……?私はいつ寝たのかしら……?と、そんな事をぼんやり考えていたら……


「ッ!?お姉様!?良かった!目を覚ましてくれて……!!」


私のベッドのすぐ近くで椅子に腰掛けていた私のマイプリチーエンジェル最強可愛シスターのアリーが涙目で歓喜の声を上げる。

  涙目のアリー可愛くて美しいなぁ〜。やっぱりこの娘の為なら何だってやるお姉ちゃんにならないとね!……そういえばそのアリーにちょっかいをかけてきた奴をつい最近ボコボコにしてやったようなぁ……


「ッ!?そうだ……!?あの悪魔……!!?」


そこでようやくボコボコにした悪魔にしてやられた事を思い出した私は、ベッドからガバッと起き上がる。


「お姉様!?無理に起き上がっては駄目です!?まだ身体にどんな悪影響があるか分からないのですから!?」


「大丈夫よ!アリー!私は貴方の為ならどんな……」


私が起き上がってきた事で大袈裟な反応をするアリーに、私は元気づけようと声をかけようとして、何気なく近くにあった姿見を見て、私は思わず驚愕の表情を浮かべてしまう。

  そこには、何よりも可愛く美しい私の最可愛な妹が映っている。うん。これは別に驚く事じゃないわね。右足出して左足出すと歩けるぐらい当たり前の事だわ。

  問題は、ベッドに座ってて呆然とした表情を浮かべてるこの私。どんなに凝視してもそこに映る私の姿は……8歳ぐらいの時の私の姿だった。恐る恐る自分の手足を確認する私。うん。もう間違いない。鏡が壊れてるとかじゃない。実際この目で手足が縮んでしまっているのを確認してしまったし……。唯一何故か縮んでないのは胸だけだ……


「一体何がどうなってるのおぉぉぉ〜ーーーー!!!?」


目が覚めたら身体が縮んでいたとかいう、前世の世界で流行っていた某探偵漫画と同じ状況に陥り、困惑して私は最愛の妹が側にいるのにも関わらずそう叫んでしまった。



  私の叫び声を聞いて、私の専属メイドであるキョウカ・サクラ・メルルの3人と、アリーの専属メイドであるヒエン・レイカの2人と共に、私の両親であるアルフ・ステインローズとクレア・ステインローズが私の部屋に入って来た。

  お父様達は無事に目が覚ました事に喜びながらも、私の体調を確認してきたので、私は


「特に問題ありません」


  と、簡潔に答えると両親はホッと胸を撫で下ろし、それでもベッドに横になるように促され、私が渋々ながらベッドに横になると、お父様がこれまでの経緯を説明してくれた。


  お父様の説明曰く、突然ステインローズ邸にアホな宣言をした悪魔は、キョウカとサクラとヒエンとレイカの4人による連携で退治されたという事になっている。で、その4人の戦う姿を見守っていた私とメルルだったが、メルルがいつものドジで転んでしまい、敵の悪魔に気づかれてしまい、その悪魔が自身の生命を代償に仕掛けた攻撃を私が受けた瞬間私は気を失った。と同時に私の身体が縮んでしまったのを見たキョウカ達が、急ぎながらも慎重に私を屋敷まで運んだという。


  お父様の説明を受けて、私がチラリとキョウカ達を見ると、キョウカ達はお父様達にはバレないようにピースセインを私に送る。どうやら、お父様達にキョウカ達があのような事実とは異なる説明をしてくれたらしい。

  そんなキョウカ達とは対照的に、メルルは怯えた表情になっている。そりゃそうよね。何もドジしてないのに、自分のせいで私がこんな状態になったという事になったのだがら……恐らくその説明の方が話を通しやすかったのだろうけど、これは流石にフォローをしなくては駄目ね……


「お父様。どうかキョウカ達……特にメルルを私を守れなかったと責めるのはやめてあげてください。私がキョウカ達の戦いを見たいと、メルルに無理を言ったのが原因なのですから……」


私がお父様にそう話すと、お父様は「分かっている」と言って私の言葉を片手を上げて制した。


「メルルもキョウカ達も……もちろんアンナの事も私は責めるつもりも罰を与えるつもりもない。悪魔なんてものが攻めてきたんだ。気になるのは当然だろうし、悪魔という存在に恐怖して、とんでもない失態をしてしまうなんて事は誰でもある事だ。この件で誰かを責める事は出来ない。悪いのはその悪魔なのだからね」


お父様の言葉にホッと安堵の溜息をつくメルル。まぁ、全然心配はしてなかったけど、やっぱりお父様はメルルに何かしらの責めや罰を与えるつもりはないみたいね。


「それで……お父様。私は何故このような姿になってしまったのでしょうか?」


メルルの件はもう大丈夫そうなのを確認した私は、1番肝心な部分をお父様に尋ねた。

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