第3話

1つ目は、道徳の教科書を階段に捨てられていた事件である。もう小学校でもそんな嫌がらせ流行っていなかったので、怒りを通り越して呆れていた。確か理由は、遊んでばかりいて腹が立ったから。それはそうだ、妹はまだピチピチの小学3年生なのである。そこでまた、彼は理解出来なかったのであろう。妹は小学生であり、勉強する必要はさほどなく、自分は中学生であり勉強しなければいけない差が。この、誰にでも分かるような当たり前のことが彼には理解するのが難しかったのである。どうして自分だけ、となってしまっていたのだと思う。2つ目の事件は、椅子がベットの上にあったよ事件である。これも同じく、休日に遊び呆けていた妹に腹が立ち、勉強机の椅子をベットの上に乗せるという頭のおかしい行動である。犯人は明確であったため、やり返すと逆上して来た記憶がある。そう、彼は自分の行動を棚に上げる癖がある。すぐ棚に上げる。そして棚卸しは行わない。厄介である。もう1つの事件は、絵画に落書き事件である。私には同い年の同性の従兄弟がおり、その子と毎週遊ぶのが楽しみであった。その子も私も絵を書くのが好きだったため、お互いに協力して書いた合作を家に持ち帰って飾っていた。私は自分の部屋の勉強机からよく見える位置に貼っていた。ある日、その絵を見ると、文字が書き込まれていた。ボールペンでしっかりと「勉強しろ!!」と。今でも覚えている。強烈に腹が立った。人の作品に何をしてくれているんだと。お前と違って勉強しなくていいんだよ、と。小学生にとってその出来事はあまりにショッキングなもので、そのまま泣き出してしまった。今思うととんでもない野郎だと思う。その頃あたりから兄に対する反抗期が始まったのである。

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