第2話  基本のチカラを上達させるには?

一次選考で落とされてしまうということは、物語として最低限のことを達成していないため、自分の実力を向上させるのが定石となります。


具体的には、欠点や矛盾点を直し、長所は伸ばしていく方針です。

「でもどこが悪いのか分からないよ!」と言う方もいるかと思います。そういう場合は、まず知人や友人、家族などに読んでもらえば良いと思います。


出来れば、読んでもらう前に「辛口でお願い」と、前もって伝えておくこと。接待的な感想を貰っても意味がないので、正直な感想を述べてもらうのが重要です。


これだけでも誤字脱字や、物語や設定の矛盾などは直せると思います。


ただ、これだと物語の質を向上させるのは難しいと思います。

友人知人、家族は素人なので、技術的なアドバイスを上手く伝える人は少ない。なので、あくまで整合性や誤字脱字のチェックに留まるでしょう。


「なんか変な部分なあるけど、どうやって改善させれば判らない」、といった状態ですね。


物語の完成度を高めるには、大きく分けて4つの方法があります。


1,ネットに投稿してみて、感想をもらう

2,過去の受賞作を読んで、お手本とする

3,アニメ作家の作品を読んで、お手本とする

4,書いて書いてひたすら書きまくる


まず1の、ネット投稿に関して。

ネットに投稿する理由は、より分析力の高い人から感想を貰うため。数字ではっきりと現れるので、客観的な良し悪しが分かりやすいためです。


具体的な投稿先としては、『小説家になろう』や『カクヨム』などが代表的でしょうか。

一長一短ありますが、最も上達するのに近道だと思います。


ただ、サイト利用者数が多いため、投稿しても感想がもらえないという事はザラです。一日待っても三日待っても、一週間経っても感想ゼロ――というのはよくある話です。


なので、『他の作者』と交流し、『相互感想』をする。予め『相互感想を募集!』と告げておけば、スムーズになると思います。


加えてツイッターで『感想募集』をしてみて読んでもらうのもアリです。あるいはそういった事を目的とする『サークル』に入って、鍛錬するのも良いと思います。


どの場合も、能動的な工夫が必要になるかと思います。



もちろん、ネットに関しては『合う合わない』があると思います。

何度か投稿してみて、「これは無理だ」と思ったら当面はやめるべきだと思います。

ネットの意見は的確な場合も多いのですが、それが胸に刺さって辛くなる場合も多いですから。

「酷評されても大丈夫!」と思える状態になったら、試してみてください。


次の2に関して、過去の受賞作をお手本とする、のは当たり前と言えば当たり前ですね。


特に大賞や最優秀賞はその出版社の理想、その時点で一番欲しいと思うものが詰まった、完成度が特に高い作品です。

カテゴリーエラー(その出版社が望まないもの)を避けるためにも、少なくとも5つくらいの作品は読んでおくべきと思います。


(すでに読んだことがある作品でも、読み返してみると新たな発見はあると思います。特に大賞や最優秀賞は。文章力や話の構成の上手さが違います)


読んでいるうちに、「この出版社はこういう作風を求めているんだな」とか、「物語の基本ってこうなんだな」と思うこともあると思います。

そう感じたら、今後はそこを重点的に意識して自分の物語を書いていく事が重要です。


3の、アニメ作家の作品を読む事も、基本は2と同じです。


違うのは完成度の高い技術を会得すること。過去の受賞作も、もちろん面白い作品は多いのですが、やはりアニメ作家さんの作品は頭一つ飛び抜けています。

文章力、キャラ構築、ストーリー、話の構成、どれか、もしくは複数優れているため、とてもお手本になると思います。


そして4.書いて書いて書きまくる。

要はアウトプットですね。

蓄積させた知識や技能(インプットさせたもの)を、自分の作品の中に詰め込む。自分が受かりたいと思う新人賞の過去作やアニメ作家さんの作品を思い出しながら、書いていく。


もちろん上達する速度には個人差がありますし、運悪く一次選考で弾かれてしまうこともあります。(後述は有料の文章の方で)なので、一次選考が通らなくても、何度か送っているうちにコツは掴めてくると思います。


(ちなみに、私は受賞するまで10作品以上は送りました。そのうち、大半は一次選考落ちです)

知識だけあっても面白い作品は作れません。なので、トライアンドエラーは重要になると思っています。


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