第4話 例の約束

 デートが終わってから黒内の家に来るのは結構日があいた。


 部屋に入ってベッドに腰掛ける。


「ちょっと着替えるわね」


 いつもはお互い制服を着ているのに、黒内は珍しく部屋着に着替えるらしい。


「え、ここで着替えるん?」


「ん?もちろん。私の部屋で着替えて何か問題あるかしら」


「いや、ないけど」


 シュルシュルと制服を脱いでいく黒内。


 あっという間に下着姿になった。


 出来るだけ見ないようにしているけど、目がいってしまう。


 意外と胸あるんだな。


 ウチの視線に気づいた黒内は「エッチね」と言ってなんだか嬉しそうにしていた。


 部屋着に着替えた黒内はウチの方に歩いてきてウチの膝の上に乗ってきた。


「ふふ、デートのお礼しなくちゃね」


 黒内が言っていたもっとすごい事...。

 もっとすごいキス...。

 まだまだウチの知らん事があるんやな。

 最初は軽いキスやったのに、舌を絡めてくるキス、すっかり黒内のキスの虜になってしまってるやん!


 あんなん知ってしまったら誰でもこうなるって絶対!

 ウチがおかしいんやないもん。


 無意識に期待をしている目を黒内に向けて待っていると、まずは軽いキスをしてきた。


 これだけでちょっと力が抜けてくる。


 もちろん舌を絡めてするキスも好きやけど、このキスも黒内の唇の柔らかさに集中出来て好き。


 何度か軽いキスを繰り返し、黒内の舌がウチの口をこじ開けてニュルニュルと侵入し、ウチの舌を絡めとって卑猥な音を鳴らし始める。


 完全に力が抜けてしまったウチはベッド黒内と一緒に倒れる。


 アカン、ウチ、めっちゃ黒内とのキスに集中してしまってる。


「ほら、舌出して」


 言われるがままに口を軽くあけて、黒内に向けて舌を出す。


「ふふ、いい子ね」


 ウチの頭を撫でながら、ウチの出した舌をじーっと見つめる黒内。


 黒内は舌を軽く出して、舌の先端同士でチロチロとお互いを舐め合う。


 舐め合っていたと思ったら唇でハムっと咥えられたりした。

 そのままピチュピチュとウチの舌を吸う黒内。


 うわ、なんかエロい。


 黒内はじーっとウチを見ている。


 恥ずかしくなって手で自分の目を隠す。


「ふふ、かわいい」


「もお...」


 黒内は今のセリフにゾクゾクしたのかキスが激しくなった。


 ウチはまだ手で目を隠している。


「んっ...!...はあ...ふぁっ..!」


 急に黒内がウチの太もも撫で始めた。


「...あっ..!ちょっと...黒内..!」


「どうしたの?」


「な、なんか...なんか...」


「んー?嫌だったかしら」


「...別に」


「ふふ、なら続けましょう」


「...うん」


 黒内の手はウチの太ももを撫で、腰を触り、上の方まできた。


 ぴちゅぴちゃ、とキスをしながら、黒内の手は胸に登ってきた。


「っ...!」


「はあ...んっ...かわいいわよ、叶彩...」


「言うなぁ」


 抵抗...しない、今更何しても意味がない。

 ウチは期待してしまっている。

 黒内なら、いいと思ってしまっている。


 これは...好き...?


 ...違う違う...ただ、体だけ、体だけや。


「すごい...叶彩、こんなにドキドキしてる」


 ウチの胸に手を当てて勝手にドキドキの音を聞いて、喜んで嬉しそうにしている黒内。


 手を当てているだけだったが、黒内の手はウチの胸を優しく包むように触り始めた。


 黒内の綺麗な手がウチの胸を触り、首筋にキスをし始めた。


「ん...」


 服、ブラの上からでもしっかりと手の感触が伝わってくる。


 ウチは目を開けて黒内を見た。


 とても、とても、妖艶な笑みを浮かべ...ウチを見ていた。


「ずっとこうしたかったの、好き。叶彩、好き。今この瞬間のかわいい叶彩は私だけのものよ、大好き」


 顔が熱くなるのが分かる、黒内の顔も赤くなっていた、それは興奮からなのか、恥ずかしさがあるのか分からないが、嬉しそうな黒内の顔を見ると何故か心が騒ぐ。


 制服のボタンを外し始める黒内。


 黒内は鎖骨、お腹、首、肩、手にちゅっとキスをし始めた


 ちゅ、ちゅ、と鳴る黒内とウチの体が鳴らす音。


 エッチな音が部屋に響き渡るような感覚。

 実際はそんなに音が鳴っているわけではないが、集中してしまっているウチには大きな音に聞こえる。

 音が聞こえるたびに、黒内の唇がウチの体に触れるたびに小さく「ん」と声を漏らしてしまう。


「..んぁ...黒内...キス...したい」


茉桜まおって呼んで」


「...茉桜..」


「いい子ね」


 茉桜はキスをしながらウチの背中に手を潜り込ませ、ブラのホックを外した。


「んっ...!ちょ..茉桜...んむっ..!!」


「全部私のものよ、叶彩」


 茉桜はブラをずらして直にウチの胸を触り始めた。ウチの胸に茉桜の綺麗な手を沈み込ませたり、優しく包み込んだり、時には胸の1番弱いところを刺激して。


 自然と息が荒くなるウチは、目がトロンとしてきてされるがままになっている。


 あぁ、何も考えられない...。


 気づいたら上は完全に脱がされていた。


「綺麗よ、叶彩」


 じーっとウチの体を見つめる茉桜。


「あんまり見んなぁ」


「ふふ。部活に入っていなくても運動しているのが分かる引き締まった体、小麦色の肌と日に焼けていない場所の白い肌、こんなに細いのに私の手に収まらない胸。エッチな体ね」


「なっ...!」


 エッチな体!?

 ウチが!?何言っているんだ茉桜は!

 茉桜はウチの事が...す、好きだから、フィルターのようなものがあって、そのせいでそう見えているだけやろ。


「信じてなさそうな目ね。いいわ、私だけが叶彩のかわいい所、魅力的な体、意外とエッチな所を知っているのは嬉しいからね」


「エッチちゃうもん」


 茉桜はまたウチの体にキスをし始めた、それも必要に胸の周りだけを。

 キスをしてくれるのは嬉しい...けど...そこじゃない、もっと、もっと、1番刺激を欲しがっている所、1番敏感な所に茉桜はキスをしてくれない。


 キスをしてくれている反対は手で刺激を与えてウチを喜ばせてくれている。

 手でこれだけ感じてしまっているんだ、口で、茉桜の柔らかい唇で、舌で刺激を与えられたら...いったい、どれだけ...。


 あぁ...もっと、もっと。ウチは刺激を欲しがって体をクネクネし、茉桜の頭に手を回しギュッとしたりして、刺激を求めてしまっている。


「茉桜ぉ...あっ...んっ」


 茉桜は舌を使い胸の周りを舐め始めた。


「や...きもち...いぃ...」


「ふふ、だいぶ素直になってきたわね。普段かっこいいと思われている叶彩をこんなにかわいい姿に変えれるのは私だけ、ゾクゾクする」


「茉桜の口...唇が好き...」


「え?」


「あ...」


 今ウチは何言ったん?

 何を口走った?


「そう、好きなんだ」


「違う!茉桜の口が好きなだけやし!茉桜が好きなんちゃうから!」


「ふーん」


「か、体だけの関係やもん」


「へぇ...」と言うと茉桜はさっきからウチ刺激を欲しがっていた敏感になっている所に口を持っていき、優しくキスをした。


「あっ...!」ビクンとウチの体が反応する。


 茉桜の口が...柔らかい唇が...欲しかった刺激。


 何度かキスを繰り返し。


「舐めてほしい?」と聞いてきた。


「......」


 恥ずかしくて言えない。


「もう、終わりにする?」


「...もう少し」


「もう少し?」


「舐めて...ほしい」


「どこを?」


「い..言えへん...」


 そんな所恥ずかしくて言えへん!

 でも、もっとしてほしい...!


「言って、叶彩」と耳元で囁かれる。


「ウチの乳首を...舐めてほしい...」


「いい子ね。かわいいわよ、叶彩」


 そう言って茉桜は舌を出し、優しく舐め出した。

 ウチの乳首を舌の先端でペロペロと舐め、チロチロと優しく転がすように舐める。


「ん..あ...きもちぃ..いぃ...」


 ウチが欲しかった刺激。

 ウチの好きな茉桜の口が唇が舌が...。


 茉桜はウチの乳首を口に含み、口の中でペロペロと舐め出した。


 暖かい息遣い、ニュルニュルとした舌、唇て乳首をハムっと挟まれたり、優しく噛まれたりした。


 ダメ...何かきそう...何これっ!


「茉桜ぉ...なんか...こわい...」


「こわい?」


「なんか...きそう...きもちぃねん...」


「ふふ」


 それを聞いた茉桜の口、舌使いは激しくなった。


 手はウチのスパッツの上に持っていき、さらにウチに快感を与え始める。


 なに、これ。

 ちょんちょんと刺激されているだけなのに、体がビクビクと喜んでいる。

 もっともっとと体が反応してしまっている。


「叶彩、こことっても熱くなってる。パンツやスパッツ越しでもこんなに濡れてるのが分かる」と言いながら指でスリスリしたりチョンと触り刺激を与えている。


「んっ、んっ、あっ...ダメ...っ!」  


 茉桜の指先、舌先でウチの体は喜んでしまっている。


 たっぷりとキスをされてトロけた体を起こすように胸に刺激を与えられ、体中にキスをされたウチは力が入り、緊張が一気に高まっていく。


「もうっ...!ダメぇ!」


 ビクビクと痙攣し、全身の緊張が解放へと導かれた。


「はあ...はあ...」


「とてもかわいかったわよ、叶彩」と言いながら全身の力が抜けてしまっているウチを抱きしめる茉桜。そのまま優しくキスをしてくれた。


 少し時間を置いて回復してきたウチは一気に恥ずかしさが込み上げてきた。


 頭を撫でられながら、また優しくキスをされた。

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