言葉のメモリー
オダ 暁
言葉のメモリー
先史のむかし
あなたとぼく
わたしときみ は
ひとつの小さな球体
粘土細工の・・・
青麦 が 実る頃 また 会おう
この 野畑の 満月の夜
粘土の球体の中の陶片の密約
球体と円錐を陶板上に順番こに並べた
シンプルな二人称の約定
記すことばはそれだけだった
夏草の吹きあがる草いきれの中
我々のことばは風に消えた
そして つちくれのことばが
堅く結ばれた円い粘土の中に
凝固されたまま残った
お互いのこころを確かめ認めあうために
必要だろうか?
多くのコトバや難解な辞書たちが
ムズカシイことばは理解らないから
信じない
何故なら、ぼくらには届かないから
新しいことばがひとつ増えるたびに
同じようにひとつずつ
生きている真実を
消し去っていくのだろう
ぼくらのこころは揮発性記憶装置・ROM
多くをぼくらは持ち得ない
手持ちのカードは少なくていい
ことばは無限にあるけれど
虚構の海原へと漕ぎ出だす
だまし絵が交錯する世界
ぼくらの声は何処にも届かない
行くべき此岸を識らない
もどかしくて
こころもからだも軋む
Webの街角
ヒトは原始のコトバで語れないのか?
言葉のメモリー オダ 暁 @odaakatuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます