ひび割れ鏡 ファンアート

Track3 羅生門

 ひび割れ鏡を

 真正面まえから見たおれ

 酷く醜く歪んでいた


 血とはえにし

 絆の糸がほどけて

 散ってしまったオヤコにも

 等しく冬がやってくる


 健気に生きる姿に

 憎悪に駆られて

 今際のオヤから

 絣の帯を引き剥いだ


 どしゃぶり雨に

 打たれつつ

 背中の鬼は羅生門



 ひび割れ鏡を

 真正面まえから見たおれ

 義理のオヤによく似てきた


 まるで餓鬼じゃと苛まれ

 田舎のオヤに二束三文で売られた

 糸紡ぎの工女おんなにも

 等しく冬がやってくる


 嫁入り前に

 綺麗な衣が欲しいと

 今際のオヤの

 絣の帯で首締めた


 どしゃぶり雨に

 打たれつつ

 背中の鬼は羅生門


 ---------------------------------------------


 この歌詞は、悪意と人の醜さを書ききった作品『ひび割れ鏡(原作 : 爛流。(らんる)氏)』へ贈る敬意ファンアートです。

 今回の歌詞は二部構成になっており、こちらは悪意渦巻く娃子の周りのかまびすしさを表現しました。


 原作URL :

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884956180


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る