第5話 徘徊
「ふぅ…美味かった…」
僕は、そう呟き弁当をなおした。
次の授業は、何だ。僕は、隣の田中に聞いた。
「あれれ~分からないんですか〜?笑」
僕は、会話をやめた。
するとすぐさま田中が僕の脳内へ入ってきた。
「って嘘嘘w、次は、国語!面白くないやつ!」
「国語か…面白くないのは、知ってる…」
僕は、一気にテンションが下がりトボトボとロッカーに教科書を取りに行った。
そして、ロッカーを開け、ガチャ
「アガガガガ」
知らん女か男か分からん変なやつが居た。
勿論、体全体は、入り切らないから頭だけある。
僕は、アガアガ言っている口に手を突っ込みそのままを奥にある教科書を取ろうとした。
「べちゃん、…」
何やら透明な液体になってしまった。そのままロッカーから垂れ流れ、また床をピチャピチャと這いずりながら何処かへ行ってしまった。途中、何回か踏まれながら。
僕は、少し虚ろな目をしながら国語の教科書を取り、教室へ戻ろうとした。
しかし、そのとき、
「おぽぽぽぽぽぽぽおぽぽぽぽぽぽぽおぽぽぽぽぽぽぽ」
っ何だ?!
僕は、今、久しぶりに恐怖を感じている。いや、緊張している。
僕は、錆びついたロボットのようにグギギギギと、首を動かし廊下の奥を眺めた。
「おっぽっぽ、ステ…、イル…、イル、…ステ」
真っ黒いモゴモゴと動く服を身に纏い、
か、顔は、、
顔は、…
見ようとするが何か絶対に見ては、いけない様な気がする。首までは、見えるがそっから上は、…
ぐしゃ、ぐしゃしている…としか言いようがない。
そしてまたその怪物は、「イル、ステ、ステ、」と意味のわからないことを呟いている。
ステ…、その瞬間
ぐわぁん、怪物の横にいた人間、言うなれば同級生の首根っこを掴み後ろに放り投げた。
「ゴトンっ、どんっ、」気味の悪いおとが鳴った。
僕は、その投げられた人間を見る。
するとその人間は、体中、細い糸のようなものでぐるぐる巻きにされ、まるでチャーシューの豚のようになっている。体をピクピクと痙攣させ眼球もかなり飛び出してきている。
するとまたその怪物は、ぶつぶつ言いながら前進しだした。
「おぽぽぽぽぽぽぽ、イル、ステ、…」
イル、といったその時、人間をトンッと押しその場に倒れさせた。
もしかして…、僕は、ある事に気づいた。
イルは、いる。
ステは、捨てる。
要らない人間を見定めて捨ててるんだ。
っと、そのとき、
「アジャジャジャジャ」
変な大きな虫のような物が現れた。
その虫は、背中からホースのようなものを出し、壁をペタペタとくっつけて歩く。
そしてその正面には、さっきの怪物が居る。
仲間か…?、っと思った瞬、バシュン。
虫の背中のホースが全て切断させられた。
虫も怒ったように超高速で怪物の方へ突撃する。
僕は、そのとき怪物の首から下を見ていた。
だがその怪物は、突然首を下にひん曲げ頭を僕の視界へと侵入させた。
「ァ下が、」
僕は、…見てしまった…その顔を…。
そしてそのまま怪物は、突撃した虫に対して、
「おっぽっ」
その一言を呟いた、。
虫は、ぺちゃんこに圧縮され見るに耐えないグロテスクな、姿になってしまった。
それをどこからともなくか、小さな小人やらうねうね動く化け物たちが集まってきむしゃむしゃと楽しそうに食べる。
僕の体は、勿論言うことを聞かない。
少しずつ怪物は、近づいてくる、。
僕のもとへ…。
「おぽぽ、イル、ステ、」
そして僕は、必死に体を動かそうとしたそのとき、
とてつもないスピードで僕の目の前へと顔を伸ばした。
頭をかしげ僕にこう言った。
「ステ…?」
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