「センパイ、200話目ですよ!」
「そろそろ休憩しますか?」
ふとノートの端に落書きをしているとセンパイがそう提案してきてくれた。もしかしたら私が落書きしているのがバレたのだろうか。それはそれで恥ずかしいが時計を見て納得した。
勉強を始めてから1時間ほど経っていた。センパイからしたら1時間なんですぐなのだろうが私にとっては大変長い1時間だったため助かった。
「そうですね! そうしましょう!」
「落書きしていましたもんね」
………バレていた。
アハハ、とから笑いしながら私はシャーペンを机に置く。ノートの端に描いてあった落書きはあとで消しゴムで消すとしよう。
「お菓子でも食べますか? マドレーヌですけど」
「ぜひ!」
「それでは持ってきますね」
「いえ! せっかくなので一緒に行きましょう!」
長瀬クンがいるけどそれは気にしないでおこう。無視…はよくないけどあまり関わりないようにすればいいだろう。
そんな事を思いながら立ち上がってセンパイと一緒にリビングに行く。リビングに着くと長瀬クンが相変わらずゲームをしていた。
「何? もうべんきょー終わったの?」
椅子に座りながらこちらを向きながら長瀬クンがそう尋ねる。そのゲームの画面はどう里中1番の人気と言われているキャラクターの育成画面だった。結構ガチ勢なのかもしれない。
「いえ。少し休憩をしようと思いまして。優二もマドレーヌ食べますか?」
「食べる。さんきゅ」
長瀬クンがそう言うと再度ゲームをし始めた。私は一体どうしたらいいのかとあたふたしているとセンパイが「椅子に座っていてください」なんて言ったけど…。
長瀬クンと向かい合わせで座るなんて気まづすぎる!!!!
「ワ、ワカリマシタ〜…」
とは言ったものの私はガチガチと動きながら長瀬クンの向かいの席に座る。対する長瀬クンはゲームに集中している。それはそれで良かった。
センパイがマドレーヌを用意するまで私はキョロキョロと周りを見ながら待つ。
「何?」
キョロキョロと見ていたのが良くなかったのだろうか。長瀬クンはやや迷惑そうな目をしながらこちらを見た。
「………いや」
「そ」
か、会話が続かない…! というか長瀬クンが会話を続けようとしていないため続くはずがないんだけどね!! センパイ早く帰ってきて〜〜!
「おまたせしました。買い物で申し訳ないです」
センパイはそう言うとキッチンから戻ってきてマドレーヌが入ったなんだか高そうな器を持ってきた。その上にはやはりマドレーヌが乗っているのだが。
なんか高そう……!!!
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