「センパイ、浄化されます!」


「美味しかったですね〜!」


お会計を済まして私たちはファミレスを出る。ちなみに今回のお会計はセンパイが払おうとしていたところを私が「払います!」と割り込んで、勝ったら払うという男気ジャンケンまで持ち越したがあっさりと負けて払ってもらう事になった。くっそう。


「いつも払ってもらってすみません…」


「いえ。僕がしたくてしているので」


「なので優良さんは気にしないでください」とセンパイは付け加えてニッコリと笑った。なんてスマートなのだろうか。


「それよりも今日はどこに行くかリクエストはありますか?」


「そうですね…、ファッションモールもいいと思ったんですが最近行きましたもんね…」


「それでしたら僕、行きたいところがあるんです」


「行きたいところ?」


私が首を傾げてセンパイの方を見るとセンパイはタタタッ、と携帯をいじってその画面を私に見せてきた。


「ここって…」


センパイが私に見せてくれたのは最近できた猫カフェのホームページであった。内装もオシャレで猫ちゃんの種類も豊富。ご飯タイムやお菓子の種類もたくさんある。私の友達も何人か休日に行ったらしい。


日頃勉学に励んでいる私たちにはなくてはならない気持ちを思い出させてくれる場所だ。


「猫カフェです。もちろん優良さんが猫アレルギーや猫嫌いでなければ、の話ですが…」


「行きます! 猫ちゃん大好きなんですよ!」


「おや、そうでしたか。良かったです」


私がやや食い気味で答えるとセンパイは嬉しそうに笑った。携帯の画面をスライドして割引の画像を指さした。


「ここ、学生割りもあるんですよ」


「さいっこうですね!」


グッ、とグーポーズをして私たちは猫カフェへと向かった。制服で行くのは毛がついてしまうから、と躊躇う人もいるだろうが、今の私は早く猫ちゃんに癒されたいという気持ちが大きかった。


駅に着いて目的の猫カフェがある最寄り駅まで電車に揺られる。その途中で私もホームページを開き、どんな子がいるのかを確認。


「へぇ! ここ、保護猫ちゃんたちなんですね!」


「そうなんですよ。少し興味がありまして…」


「みんな幸せそうですね」


ホームページの“本日の猫ちゃん”欄にはのびのびと寛いでいる子や他の子と戯れている子もいる。中には人見知りなのは端の方で寝ている子もいた。


「みんな可愛いですね〜! 癒されちゃいます、んふふっ」


「優良さん、変な笑い出てますよ」


「これはこれは…。失礼しました」


私がそう言うとセンパイはニッコリと笑って口を開く。


「楽しみですね」


「はいっ!」



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