「センパイ、元気出ました!」
「やばい、かもしれない」
自室、夜。私は焦りに焦っていた。やばい、なんて口に出す暇もないくらいやばかった。テストまであと数時間。正しくは8時間くらいだと思われるが…。
「寝ないといけないから…ぁ、あと、えっと…」
半ば泣きながら英語を解く。しかし全く解けない。
なんでここが過去形になるの…? あれ、こっちは現在形…。え、なぞなんだけど…。このままじゃ本当にテスト解けない……。
センパイとテスト勉強をしたというのにテストの点数が低く、赤点になってしまったら洒落にならない。本当に。
テストは五教科だけではない。四教科もある。そのため五教科のテスト範囲は中間よりも狭い。だがしかし今日一日でカバー出来るはずもない。どうしたものか。
チラリ、と携帯を見る。センパイからは連絡がない。きっと私の事を思って連絡をしないのだろう。
それでも私は連絡がほしい。
一問解くごとにはセンパイからの連絡が来ているか確認するが見事にきていない。泣きそう。てか泣く。
「明日は数学と英語だからな…」
なぜ三大教科(国語、数学、英語)の内、苦手な二教科(数学、英語)が同じ日に文字を並べているのだろう。本当に分からない。先生は鬼か!
ひとまず数学、英語を中心的に勉強しなくては。今の時間は深夜1時。あと2時間くらいしか起きてられない(いや、オールという手もあるがそれだと私が死ぬ)。
机の上に置いてあるストローにささっているエナジードリンクを飲む。ズゴゴッ、と音を立ててカラになってしまう。
「追加持ってこないと…」
「よっこらせ」、なんておばあちゃんみたいな事を言いながら私は席を立って一階へ。テスト期間中は寝ないように、と一日二本飲む計算でエナジードリンクがストックされている(おかげでお母さんには「冷蔵庫が圧迫されてるんだけど…」と複雑な顔をされた)。
でもしょうがない。テスト期間中は夜遅くまで起きないといけないのだから。そして意思の弱い私には半ば無理やり起きられるエナジードリンクが必要なのだ。
プシュッとエナジードリンクを開けてストローを差す。それからエナジードリンクを体に流し込んだ。
あー…、あと英語はワークが残ってるから…。それ終わらせて…、数学も解かないといけないな…。時間足りねぇ…。
このままじゃ干からびる…、なんて思いながらヨタヨタとした足取りで部屋へと戻る。チラリ、と携帯を見るとセンパイの文字。
あまりにビックリしすぎてエナジードリンクを落としそうになってしまう。
「センパイ?!」
パッ、と開くとメッセージが来ていた。
《頑張っていますか?》
たった一文だったが嬉しすぎて私は即返信をする。
《好きです!》
《疲れてます?》
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