「センパイ、プロですか?」
「お次の方、何名ですか?」
「二人です」
そうセンパイが答えるとキャストの人はそのまま私たちを乗り物へと誘導する。
レールを流れる乗り物もやはりバルーンアートでできていて可愛らしい車の形である。そこに乗り込み、シューティングゲームらしく、銃が備え付けられていた(もちろんこれもバルーンアート)。
私たちが乗ると安全バーが下がり、いよいよシューティングゲームの始まりである。
レールを流れて進んだ先にはバルーンアートの王国があり、的は様々な色をした風船だった。赤やピンク、青、緑といった色の風船は1点、白と黒の色の風船は5点、金色の風船は10点の配分らしい。
「よーしっ!頑張りますよ〜!!」
銃を構えながらそう言い、早速白色の風船に狙いを定める。が、白色の風船は引っ込むのが早く、なかなか打てない。1点の風船を打った方が点数が稼げるのではないか、と思ってきた。
そんな私の横でパァンッ!と一際大きな音がした。
そちらに目をやるとセンパイがなんと金色の風船を割っていたのだ。いや、金色の風船は普通の風船より小さくて狙いずらいはずなんだけど…。
「銃からレーザーが出ているので分かりやすいですね」
「………ソウデスネ!」
私は打てませんでしたけど。
それから私は1点の風船を中心に割り続ける事にした。だって全然5点とか割れないから。
対するセンパイは普通に出てきた風船を割っているようだ。備え付けられているスコア画面ではダブルスコアがつきそうな勢いである。まだ始まったばっかりなのに。ぴえん。
「センパイ! なんでそんなスコア高いんですか〜? も〜、私は全然で…」
「そうですね…。出てくるタイミングを見ているといいかもしれませんよ」
そう言いながらも黒色の風船を割るセンパイ。すげぇよ、さながらスナイパーだよ…。やっぱりセンパイがスナイパーだったのは嘘じゃなかったんだ…(嘘です)。
「わっかりましたぁ!」
パァンッ!
「外れたんですけど…」
「ぶ…っ。……ふふ…っ」
「ちょっとォ! 吹き出さないでくださいよ! 恥ずかしいんですから!」
「し、失礼…しました…ふふっ」
どうやらセンパイはツボにハマってしまったようで打つ手が止まった。よかった、今のうちに点数を稼ごう。
それからクルクルとレールの上を回っていた乗り物が出口へと向かう。と同時にスコア画面には“END”の文字(これもバルーンアートで表現されている)。
次に私たちのスコアが出た。
Left・・・19
Light・・・51
「は?! 51?!」
「おやおや。柄にもなくはしゃいでしまいましたね」
「いやいや…、これ今日のハイスコアなんじゃ…」
と言いながら次の画面に表示された今日のハイスコアを見る。
今日のハイスコア・・・82
「……………プロの方ですかね?」
「プロの方でしょうね」
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