第24話 スキル強化でウダユウ無双とトト獣化

 第2回 ポポの合宿、がはじまった。


 前回と同様に、魔物をひたすら狩るだけだったが、

 一人一人の戦闘に縛りが設けられた。


 職業スキルの基礎能力向上を目的とした。

 反復練習を繰り返し、瞬時に動けるよう体に教えこむ。

 そして、今回はエクストラスキル発現をめざす。


 ウダユウは適切な挑発と鉄壁の維持。防御のみとした。


 トトはウォークライを発動後、如何に素早く冷静に敵の首を狩るかを意識する。連撃を3発で以上打たないで仕留める。


 俺は気配遮断と無音歩行を展開し透過の持続力を伸ばす。


 キリは判断力が重要とされ、ポポから直接、優先順位の指導を受けていた。


 B級指定の軍隊アントを中心にレッドキャップ、コボルトアサシン、ブラックキラービーを狩っていく。




 初日が終わり、みんなでスキル会議を開催。


 ウダユウ 人族 15歳 男

・職業スキル

 重戦士      LV5 0/50

 商人       LV0 0/30

・派生スキル

 挑発       LV1 0/10

 鉄壁       LV1 0/10

 シールドスタン  LV0 0/10

 ビックインパクト LV0 0/10

 盾具現      LV0 0/10


 スキルポイント:320.25P


 では、ウダユウから。


「職業スキル重戦士がレベル5になっている。

 そこから派生スキルが5個になった。

 派生スキル全てカンストするのに230ポイントだ」


 派生スキルをカンストさせればエクストラスキル獲得の資格が発生する。条件を満たせば、それが獲得できる。


「ウダユウ、5個ある派生スキルをカンストさせるか?」

「それでいい。予定通りすすめてくれ」

「んじゃ、230ポイントを消費するな」




 トト   銀猫獣人 15歳 女

・職業スキル

 獣戦士    LV5 0/50

・特性スキル

 豪運     LV2 0/10

・派生スキル

 連撃     LV1 0/10

 ウォークライ LV1 0/10

 俊足     LV0 0/10

 獣化     LV0 0/10

 先読     LV0 0/10


 スキルポイント:315.58P


「トトは派生スキルが5個と豪運がある。全部カンストでいいか? 全部で260ポイントだ」

「トトもカンストさせる。はやく獣化を使いたいの!」

「お、おう、んじゃ、そうするな」


 同じくトトも派生スキルと豪運をカンストさせた。




 キリ   ハイホビット族 15歳 女

・職業スキル

 治癒士    LV5 0/50

 付与魔法士  LV0 0/30

・派生スキル

 ヒール    LV2 0/10

 リラックス  LV1 0/10

 瞑想     LV0 0/10

 リフレッシュ LV0 0/10

 エリアヒール LV0 0/10


 スキルポイント:336.19P


「キリも同じく派生スキルカンストでいいか?」

「お願いします」

「キリは210ポイントだな。んじゃ、消費するな」




 イチマツ 人族 15歳 男 

・因子スキル

 カード化  LV0 0/100

 スキルデッキLV1 0/50

 インベントリLV1 0/50

・職業スキル

 影法師   LV5 0/30

・派生スキル

 気配遮断  LVMAX

 無音歩行  LV1 0/10

 影縛り   LV0 0/10

 潜影    LV0 0/10

 影騎士   LV0 0/10


 スキルポイント:285.21P


・エクストラスキル

 身体透過


 続いて俺は、と。

 スキルポイント190で派生スキルカンストだ。

 では、消費しましょう。


 これで全員、現状の派生スキルはすべてカンストにした。

 かなり戦力がアップしたと思われ、

 やれることが格段に増えたはずだ。





 合宿2日目


 昨日と同じ行程を踏んでいく。

 各自獲得したスキルを試す為、

 スロスタートするのだが・・・


 ウダユウは軍隊アント目の前にして、

「俺、1人でやらしてくれ」と、言った。


 OKOK、予想はしてた。

 ウダユウがそう言うと思ってましたとも、

 その後、トトが影響を受け同じことするぞ。

 我がパーティーのテンプレでございます。


 ではでは、レッツ スタート!


 挑発を発動する、ワラワラと30匹程沸いた。

 軍隊アントの目って赤っかた?

 猛り狂うようにウダユウに群がる。


 鉄壁を発動する、カンカンと甲高い音が響く。

 全く微動だせず攻撃を受けていた。


 次に盾具現を発動すると5枚の盾が出現し、

 彼の周りに浮かぶ。

 その盾の動きは機敏で軍隊アントの攻撃をすべてシャットアウトした。


「何だあれ? すげー格好いい!

 あんなスキルがあるんだな。初めて見るぞ」

「イチマツ、普通の冒険者では獲得できんスキルじゃ。S級冒険者でも無理じゃろな」

「そんなにか、そんなにも?」

「モノリスの因子のなせる所業じゃの。その仲間達は総じて強力じゃな」


 ウダユウは盾を振るった! シールドスタン。

 軍隊アント約30匹がひっくり返り、ピヨピヨしている。

 常軌を逸した状況を目の辺りにした。


 ビックインパクト! ズガガーン!!!

 大地が震えた。木端微塵である。

 地面が陥没していた。これは人のなせる技なのか!


 ウダユウ、すべてアンタに任す。大丈夫だ!

 俺はトトとキリで留守番しときたい。


 ドヤ顔でウダユウが戻ってくる。


「イチ、見てたか! どんなもんだった?」

「化け物! 厄災はお前に任すぞ」

「ふはは、任せろ。俺がイチを王様にしてやる!」


 あ、望まぬ発言をしやがった。

 俺は王になりたくないぞ!


 フンス、フンスと鼻息が聞こえる。

 ウダユウに触発されたトトが、

 今度は私なの! と、飛び出して行く。


「おい、待てコラ、トト!」


 俺の声に反応して、くるっと反転して戻ってきた。


「イチちゃん、私もやっつける!」

「わかった、だから群れを探すぞ」

「うん!」




 軍隊アントを探した。

 標的を見つけた。

 トトは踊りかかった。

 まさに猪突猛進! 


 うちの子は、あんなにもアホだったのか!

 落ち着いてスキルを試すんだぞと、

 あんなにも口を酸っぱくして言ったのに。


 お、おい、ちょっと待て! 

 と、言ったが止まらなかった。


 俊足が発動している。もう目で追えないぞ。

 トトは「ニャー!」っとウォークライを発動させた。

 シュパパパパッ! ゴロゴロとアントの首が転がる。

 連撃と先読が発動しているのだろうが、速くて何がなんだかわからない。その激しい動きに砂煙立ち上がる。


「ギャオオオオオ!!!」


 ど、どうした!? 心臓が鷲掴になり体が萎縮する。

 背筋が凍り、悪寒が走った。


 こ、この感じは饕餮とうてつ




「キリ、リラックスとリフレッシュじゃ!」

「は、はい」

「早く放つのじゃ」

 と、ポポは砂煙を指差す。

「はい!」


 キリが魔法を発動させる。

 それは広範囲に広がっていく。


 砂煙が晴れるとB級魔石とドロップアイテムが転がり、

 白い猫の魔獣が倒れていた。


 トトか? トトだよな!


 俺は駆け出した。


「トト、トト、大丈夫か!」

「案ずるな眠っておるだけじゃ。すぐに気づく」



『ニャッ』と獣化したトトがムクリと起きる。

『ニャー』っと、俺に飛びつき、口をペロペロと舐めてくる。

「なっ! おい、トト落ち着け」 

「ホホホ、トトは、しばらくそのままじゃ。知能も低下しておるの。訓練が必要じゃな」


 しばらくって、いつまでだよ!


「トトは強くなるの。銀猫獣人は獣族最強クラスじゃ、そのポテンシャルはモノリスの因子に届くかもしれん。そしてその豪運じゃ、とんでもない逸材じゃの」


 トトは執拗に俺の頬をペロペロしている。

 た、たしかに饕餮と同じ気配を感じたが

 この状態はいかに・・・


「獣化は慣れじゃ、しっかり自我が定着すればよい」

「しなければ、どうなる?」

「獣化のままじゃ」

「んなっ、大丈夫か?」

「大丈夫だと言っておるのじゃ」



_________________________________________



 お読みいただきありがとうございます!

 これからもよろしくお願いします。


  評価をいただけたら幸いです。

  感想もお待ちしております。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る