第8話 土地神様の後光

 ポポと聞いてピンッ時た。


 俺とウダユウは、しばらくフリーズする。


 ウダユウさん、俺には子供に見えるんですが、ダンジョン:ポポのお花畑の土地神様ってことですよね。

 

 ポポって名乗っており、太陽の塔へ行きたいと要望されておりますが・・・


 ウダユウさんも最近、頭を強くぶつけておりませんか?

 実は俺、最近、頭を強くぶつけて気を失ったことがありまして・・・

 

 目の前には、ポポのお花畑の土地神様って言うんでしょうか、その神様にペコリとあいさつをされてしまいました。


 この状況を理解したが、

 その理解が正しいのかどうか・・・


 え、ウダユウさん正しくないって、

 そうだよね。神様が降臨するわけないもんね。

 

 俺がおかしんだ。頭もぶつけたし、最近の言動がおかしいって言われたし、透明人間だし、あれ、夢から醒めてないのか・・・


 俺とウダユウの理解が及ばずにいると・・

 ポポはトトの手を離し両の手を広げ、光りだす。

 神が降臨されたような後光が演出された。


 え、なにを、唐突に【後光】アピールか!

 俺らパーティーの前に、神様が降臨した・・・のか?


「イチマツとポポは太陽の塔へ巡礼をするのじゃ」

 え、なにを、

 ポポと巡礼をするって、どういう意味だ。


「イチマツは弱いのじゃ」

 お、おう、自覚はあるが、俺はスキル所持者だぞ。


「ポポは、お花畑で待っているのじゃ」

 と、言ってポポは、さらに光って消えた。


 トトは、その光景を目の当たりにし、つぶやいた。


「ポポちゃんが、天に召された」


 うむ、トトさんや、ちと違うんじゃないかと思うぞ。


 しばらく、無言であったが安宿に戻って今後を話あうことにした。






 安宿の俺の部屋にて、


 兎にも角にも、ポポのお花畑に行かなければならない。

 と、皆が言うが、俺は気が進まない。


 え、あれの説得力ゼロなんですが・・・

 情報量が極端に少ないし・・・


 ぽっとでの、ポポを信じるのですか?


 太陽の塔とか、モノリスの因子とか、はいそうですかってならないよ普通は、お前らがおかしいって、頭強打したのお前らだろ!


「ポポちゃんを、助けに行かなきゃ」


 え、トト、そんな話だったか?

 すごく簡潔に、と言うか言葉足らずに、太陽の塔に巡礼とか、俺が弱いとか、ポポのお花畑に来いとか言っただけだぞ。


「私も、行かなきゃいけない気がするの。太陽の塔に惹かれる感じがする」


 ぐぐ、キリが惹かれているだと、種族特性ってやつか?


「イチ、何が不安なんだ」


 さすが、心の兄弟。ウダユウ兄さんは、俺をしっかりと見ていらっしゃる。


「俺の勘では、」「ダメ、イチちゃんの勘は絶対ダメ!」


 トトが、俺の発言にかぶせてきた。

 キリが、うんうんと同意する。


 俺の勘は信用ならぬと言う。

 まあ、トトが言うことは正しい。

 俺の勘に頼ると、ろくなことない。


「イチの勘ってのは?」


 ろくなことない勘をウダユウは、確認する。


「ポポって、怪しくない?」


 トトとキリが、あ然とした表情をする。

 土地神様を否定したからだ。

 そう、俺は神を否定するロクデナシである。


「イチちゃん、ポポちゃんは光ってたよ」


 いや、それは俺も見たよ。眩しかったよ。

 しかし、そこじゃない。


「あのな、俺はこの成り行きが怖いんだよ。すごいはやさで状況が変化している。カンゾウさんの話だってそうだ、いい話だが、あの座会と専属契約だぞ。いろいろと極端すぎるんだ」


 それにフィツベル王国に動乱の兆しがあるってのも・・・


「ポポだって普通は、お目にかかれないはずだ。突拍子もない話が、だんだんと具体的になってくる。太陽の塔って場所は、ついこないだまで俺は知らなかった。それがいまではその単語が連発している。俺は震えるよ」


「イチ、お前の言う通りだ。だけど、お前だけじゃない。キリだって、太陽の塔に導かれているぞ。それにな俺やトトは、もう巻き込まれてるんだ」


「そう、だからなんだよ。お前らを巻き込んじまった。これから起こることが不安でしかたないんだ。太陽の塔へ行く理由もわからん」


「イチ、そこまで気にすることじゃい」


「・・・ここまで急展開すぎるだろ」


「心配すんな。不安なことは1つ1つ潰していけばいい。それにな、俺やトト、キリはすべての責任をお前に背をわせるわけないだろ。むしろ楽しんでる。リーダーであるお前が不安になるのはわかるが、俺らは大丈夫だぞ」


 ウダユウは俺の不安を緩和してくれる。


「・・・少し考えさせてくれ」


 結局、みんなから説得され話し合った結果、俺らはポポに会いにいくことにした。



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