第7話   0007「タイムライン」

0005,0006からの続き



宇宙、我々では図りきれない世界。

そこには、無限な資源が漂っている。

人類は、地球を食い散らかし、宇宙でも食い散らかす。

無邪気な幼児ソノモノだ。


スペースデブリ、資源として再利用する企業が、サイド6にはある。

レモンのような船に赤い文字で『etc』と、でかでかに表示され、会話が聴こえる。


「この辺は、戦争していたんですねぇ~?喰えない肉が、ゴロゴロ有りまっせ。」


そう、そこは先日のテレビ中継された海域。一方的に壊滅したジオン軍艦隊の残骸で在った。ゆっくりと流れていくMSの左手は、闇に消えていった。


「そうかい?今日は、大漁じゃねぇ~かぁ。カミさんにでも、宝石を土産りゃ~いいなぁ~?!」


船長らしき男性は、笑みを浮かべて言う。

すると、船長の目に誰かの左手が映る。


「うぉ?!話すと早々に、御利益が、んっ?」


パチッ。静電気が飛んだような音と同時に、その船の乗員達はスペースデブリと同化した。

そのワケは、ザクの瞬殺。隠密行動であり、同行のリックドムに合図を送っていた。

彼等の行く先には、数基のスペースコロニーが輝いていた。



その頃、連邦政府直属の特別工作員から出撃要請を受信。

サラミス艦で、横になっていたアヤノが、大きく目開く。


「嘘だろぉ~?あと、30分もねぇ~ぞぉ。」


と、駆け足で格納庫に向かう。


「うむぅ~。信じ難いが、ヒトの革新。恐ろしいのぉ~。」


煙草を吹かす館長が、ゆっくりと腰をあげてゲキを飛ばした。


「ロケットブースター換装後、即時にアヤノ大尉を射払っ!!全砲身、道を開けぇ~っ!!」

慌ただしい臨界体制に、総員が急ぐ。

艦内のガンナーは、躊躇なくスペースデブリに照準を合わす。


「アヤノ大尉、ガンダムに搭乗確認。ブースター換装完了。」


報告を聴いた艦長は、頬に汗を流した。


「全砲身、道を開けぇ~っ!!射てぇ~~~っ!!」


前以て温めていた砲身は、道標を築き、ガンダムを舞台に送り出した。



続く

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