第5話   0005「クリスマス・イヴ」

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 外伝


宇宙世紀0079ー


12月24日2100時、サイド6領域から離れた暗礁区域に2つの巡洋艦が息を潜めていた。四方八方は人工物が漂流し、行き場を失なった魂達が列を造っていた。

しかも、艦隊の間で3基の高速弾道ミサイルを組み上げていた。


「技術中尉さんよぉ~。コレ、プルトニウムって書かれてねぇ~?」


命綱を巻いた技士が、表示を指差して云う。話は、相手届かずシカトされて終える。


「コムサイへの連結は、慎重に!!」と技術中尉が、感情振って注意していた。


簡易式な装備をしたコムサイのそばに、リック・ドムとフェザー付きザク1が近寄る。


そんな工作が進んでいる事を知る者は、少なくなかった。



画は、青い空に替わる。


「ハイハイハイハイっ!!キャあぁ~~~チっ。」 パチン!

スパイクシューズで、駆け込む音と交えて聴こえた。

それは、草野球を楽しむ大人達が河川敷で集まっていた。


「そういや、朝練に参加していて大丈夫ですかぁ?」ボールをキャッチした青年が、中年眼鏡に問う。

「おぉ~、そろそろ行くかぁ。短い間だったけど、お世話になり、支えて頂けて、ありがとう。戦争が落ち着けば、また会おう。」

と彼は、足早に去っていく。

「アレ?このスパイク?」

そのシューズケースに、名前が書かれていた。走り書きで、イズルハ。泥がにじんでいた。



続く


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