第7話 お礼と収入源の確保
夢の一つを叶える希望がみえしばらくするとようやく聖王国の入り口にたどり着いた
老婆が国の衛兵と何やら話をした後、衛兵が身分証の提示を求めてきた。
「そこの二人。身分証は?」
「ないっ!」
「ありません」
お決まりのセリフに興奮した裁定者は、かなり格好つけて返事をした。
(決まった!!)
「そうか。ならギルドで発行するといい」
「え?」
「どうした?」
「いや、あれは!?なんか犯罪歴を見たりするやつ!!」
またしても予想外のことが起きたのかかなり焦っていた
「なんだそれは。そんなものがあったとしても貴族の方のお連れを疑いはしない」
「なん・・・・だと・・・」
(計画は初めから狂っていたのか!?これでは、果たせるお決まりが、減ってしまう!?)
「・・・・・・・・・」
そんな裁定者の様子をしけた目を向けたアカネがいた。
その視線に興奮してしまった衛兵がいたとかいなかったとか・・・
「こちらが私の屋敷です」
その声とともに外を見ると立派な家が建っていた。
「こちらの二人を応接間へ」
「かしこまりました。ではこちらへ」
そうして二人は応接間へ案内された
「お待たせして申し訳ございません」
「いや大丈夫だ」
「では、落ち着いたところで自己紹介を
私は、アンナ=オルセティ、元王族の隠居した婆でございます」
「俺は、さいっ・・・・」
裁定者と言おうとして、隣にいたアカネに肘打ちされた。
(何すんだっ!!)
(裁定者様こそ何を言ってるんですか。いいですか裁定者とは、下界の民からすれば神に等しい存在なのですよ?そんな存在がいきなり目の前に現れて信じてくれるとお思いですか?)
(たっ、たしかに)
「どうされました?」
「あーいや。俺の名前は・・・・かっ、カイトで」
「私の名前はアカネです」
名前に迷って、聖書の中の主人公から持ってきた。
「カイトさんに、アカネさんですね。改めてこの度はありがとうございました」
「いや、礼をされることはない」
そうなのだ。助けた目的が目的なだけに大したことはしてないのだ。
「ふふっ、そう言っていただけると気が楽になります。ではお礼の品を・・・」
そう言ってアンナは一つの指輪と金貨の入った袋を差し出した
「その指輪は、王家のお客人にのみお渡ししているものです。困ったことがあれば存分にお使いください」
「おっ、それはありがたい」
聖書にもこんなイベントあったし、一つ達成だな
「それからもう一つギルドへの紹介状です。こちらを見せれば登録がスムーズにいくかと」
これだっ。これがあれば、お決まりをいくつかできる!!
「ありがとう。では早速使わせてもらう。長居しても悪いからな、これで」
「はい。ご堪能ください」
裁定者ことカイトとアカネはお礼をし屋敷を後にした。
「千年越しの御休息をどうか」
アンナはそう言うとこの日のことを日記に残すべく書斎へ向かった。
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