第1話 ダンジョン誕生

仮初の平和の上に成り立つ三つの国。


王国 エリス

帝国 エレボス

聖王国 オルセティ


それぞれ、武の国・魔の国・中立の国として成り立ち繁栄してきた。


しかし、繁栄しすぎた故の運命。帝国の王が、欲をかき世界を支柱に収め世界を我が物にしようと王国と聖王国に戦争を仕掛けた。


その結果、世界に混乱の時代が訪れ、民は疲弊し、飢え、次第に国は崩壊へと向かっていた。


しかし、突如として戦争は終結した。塔の出現である。突如として現れた塔に誰もが恐怖を抱き、戦争どころではなくなった。戦争の犠牲となっていた民たちは口を揃え


「神の軌跡」


と叫び誰もが塔に祈りを捧げた。


変化はそれだけではなかった、塔の出現と同時に神子と呼ばれるようになる存在が各国に生まれた。神子は、各国の王・民にこう告げた。


「高く聳え立つ塔の中にはダンジョンが存在する。天に辿り着けたものだけがこの世界の真実を、全てを手に入れられる」と。


その瞬間、世界中の人々が歓喜し、我先へと塔の中へ向かった。

あるものは、己の武を持って。


またあるものは、己の智略を駆使し、軍を率いて。

塔の出現から一千年、まだ誰もその頂にはたどり着いていない。

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