第三十六章 荒野の刺客
第三十六章
ハルシャ王子とルハーニは
「ここはもうタール
ハルシャ王子がルハーニに尋ねた。
「分からない。」
ルハーニはいつものようにが短く答えた。ハルシャ王子は少しずつ
「お前、もっと気の
ハルシャ王子がわがままな顔を
「何だその態度は!」
「フン、
ハルシャ王子はラーケーシュを
「今、何と言った!?」
シェーシャが赤い目をさらに怒りで燃やし、赤い舌もチロチロ見せて、今にも
「やめんか二人とも。」
ルハーニの肩に乗ったクールマが注意した。
「元はと言えばこいつが悪いんだ!」
ハルシャ王子はそう言ってルハーニの顔のど真ん中を指した。ルハーニは目を点にしてハルシャ王子の人差し指を見つめた。
「こいつがいつもちゃんとした返事を返してこないのが悪い!
「許せん!シャアアア!」
聞くに
「ルハーニ!」
シェーシャが
ハルシャ王子たちはその日、一日中歩いて
「怒ってるのか?」
時間が経って頭が冷えたハルシャ王子が尋ねた。ルハーニはむっつりした顔で
「おい、聞いてるんだ。何とか言え。」
ハルシャ王子が
「私に話しかけないで。」
今まで口から聞いたことがないような
「え?」
「私に話しかけないでって言ったんだ。私、もう君とは口を
ルハーニはむっつりとして顔をして怒って言った。ハルシャ王子は言葉を失った。シェーシャも
「やれやれ、これがルハーニのへその
クールマが
ルハーニは
「ふて寝じゃ。朝になれば
クールマはルハーニのむっつりした寝顔を見ながらハルシャ王子に言った。
その晩、砂漠の
二人はハルシャ王子とルハーニが眠っているのを確認すると
オミトがハルシャ王子に、オモルトはルハーニに
「痛いいいい!」
シェーシャの声が何もない荒野に響いた。オミトとオモルトは驚いて剣を振り下ろすことを
「わああああ。」
「きゃあああ。」
オミトとオモルトは
「ルハーニ、
クールマが後ろから叫んだ。ルハーニは逃げるので
「クールマ、頭と手足を引っ込めろ。私が投げてやる。」
シェーシャが
「本当か。」
クールマはすがるように言った。
「ああ。さあ、早く。」
シェーシャは
シェーシャは
シェーシャは砂の上をスイスイと泳ぐと、スーとクールマの横を通り過ぎてルハーニたちの後を追った。
ハルシャ王子とルハーニは並んで全速力で逃げた。それはオミトも同じだった。大人の全速力と子供の全速力では勝負は見えていた。距離はどんどん縮まり、ハルシャ王子もルハーニもすぐ後ろまでオミトが迫って、時々剣を振り回しているのが分かった。
突然、ハルシャ王子の足がもつれて転んだ。ハルシャ王子の体はサラサラした砂の上に投げ出された。チャンスとばかりにオミトが襲い掛かろうとした。ルハーニはとっさにハルシャ王子を助けようと引き返した。けれど間に合わなかった。ハルシャ王子のすぐ後ろでオミトが剣を振り下ろそうとしていた。
「ハルシャ王子!」
ルハーニがそう叫ぶか否か、突然
「ルハーニ!」
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