第十五章 毒の杯
第十五章 毒の
サンジャヤ大臣は廊下を長い歩き、ラージャ王一行の部屋の前に立った。心臓が高鳴り、手と足が震えた。額からは冷や汗が流れ出した。これではアジタ
「失礼致します。」
サンジャヤ大臣はそう言って扉を開けた。ラージャ王と五人の
「
サンジャヤ大臣が緊張を押し隠して言った。
「分かりました。」
ラージャ王は素直にそう返事をするとアジタ
「申し訳ございませんが、
四人の
「承知しました。」
ラージャ王たちはまたサンジャヤ大臣の後について廊下を歩いた。長い廊下をひたすら歩くと、大きくて
「この扉の向こうにシャシャーンカ王がおります。」
サンジャヤ大臣の
「案内ご苦労でした。」
ラージャ王がそう言うとサンジャヤ大臣は軽く
「扉を開けよ。」
重い扉が開かれた。サンジャヤ大臣が言っていた通り扉の向こうには大きなテーブルを挟んで鋭い目をした
「これはこれはスターネーシヴァラ王、お
「これはご
ラージャ王も自己紹介をした。
「おお、そちらの方がかの有名な風の使い手アジタ祭司長《》ですね?」
シャシャーンカ王は感激しているかのように言った。
「スターネーシヴァラ国
アジタ
「お目にかかれて光栄です。」
シャシャーンカ王は
「さあさあ、お座り下さい。長いこと廊下を歩かされてお疲れでしょう。」
挨拶が済むとシャシャーンカ王は席を
「では、失礼します。」
ラージャ王とアジタ
そこへ、今まで姿が見えなかったサンジャヤ大臣がお
「おお、来たか。」
シャシャーンカ王はサンジャヤ大臣を見ると待ち
「どうぞ。」
ラージャ王とアジタ
「スターネーシヴァラ王、これは歓迎の印です。」
シャシャーンカ王は自分の杯を持ち上げて言った。それを見てラージャ王も杯を取った。
「ありがとうございます。カルナスヴァルナ王。」
「では
シャシャーンカ王は
「
シャシャーンカ王はそう言うと一気に杯を飲み干した。計画通りに。それを見てアジタ
「んー、これは大変香りが良い。こうして揺らすと
シャシャーンカ王はそう言ってラージャ王を誘った。ラージャ王はすでに何の罠もないと思っていたので、シャシャーンカ王がやって見せたように杯を
ラージャ王は杯を
「ラージャ王、どうなされました!?」
すぐにアジタ
「シャシャーンカ王、なぜ…。」
ラージャ王は血を吐きながら言った。サンジャヤ大臣は背後の扉を叩いた。その
シャシャーンカ王はおもむろに立ち上がると、苦しむラージャ王を見下ろした。
「スターネーシヴァラ王ラージャ・ヴァルダナ。そなたは
シャシャーンカ王は手段を選ばない
「ラージャ王、そなたが飲んだ杯には
シャシャーンカ王はそう言うと兵士の一人から
シャシャーンカ王が剣を振り
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