第十三章 カルナスヴァルナ城
第十三章 カルナスヴァルナ
ラージャ王一行は長い旅路を終え、無事カルナスヴァルナ国に到着した。カルナスヴァルナ国の都は
「良い町ですね。皆顔が生き生きしている。」
カルナスヴァルナ城に向かう
「ラージャ王、むやみやたらに顔を出してはなりませぬ。ここはまだ
「分かっています。」
ラージャ王は心配性のアジタ
ラージャ王一行がカルナスヴァルナ城の入り口の門をくぐると、門番の兵士たちが王宮の前まで一行を誘導した。王宮の入り口の前に馬車をつけると、カルナスヴァルナ国の数十人の文官たちと大臣らしき一人の男がラージャ王たちを出迎えた。ラージャ王はアジタ
「スターネーシヴァラ王、よくぞ遠い所来て下さいました。私は大臣のサンジャヤでございます。」
サンジャヤ大臣は馬車から降りてきた若者がラージャ王であると一目で分かったようで、すぐにラージャ王の前に進み出て
「初めまして、サンジャヤ大臣。私はスターネーシヴァラ国王ラージャ・ヴァルダナです。こちらはスターネーシヴァラ国
ラージャ王にアジタ
「お噂はかねがね
「こちらこそ。サンジャヤ大臣。」
アジタ
「今日はカルナスヴァルナ城にご
顔を
「お
ラージャ王が
「文官の方々と兵士の方々は宿舎の方にご案内させて頂きます。荷物は
サンジャヤ大臣は事務的にそう言うとラージャ王の顔を見上げた。ラージャ王が何かに気を取られているのに気づいた。
ラージャ王は横目で建物の影にある兵士の
「どうかなさいましたか?」
サンジャヤ大臣がラージャ王の顔を訝しげに見上げて尋ねた。
「いえ、別に。」
ラージャ王は何でもないというふうに
「それではご案内致します。」
サンジャヤ大臣の後についてラージャ王たちは王宮の中に入って行った。先頭をサンジャヤ大臣が歩き、そのすぐ後ろをラージャ王とアジタ
王宮は石造りの
「皆様、くれぐれもはぐれぬようお願い申し上げます。この王宮には敵に攻められた場合を想定し、いくつもの
サンジャヤ大臣がそう言うと、ラージャ王たちは緊張した面持ちで
サンジャヤ大臣はラージャ王一行に警告を発してから、一言も喋らずにひたすら前を歩いた。もともと
サンジャヤ大臣は立派な
「こちらがお部屋です。」
サンジャヤ大臣はそう言って部屋の扉を開けた。
「
サンジャヤ大臣は含みのある言い方をした。けれどラージャ王はその含みには気づかなかった。
「分かりました。」
ラージャ王は落ち着いた様子でそう答えた。
「ではまた後ほど。」
サンジャヤ大臣はラージャ王一行が部屋の中に入ったところを見届けるとその場を後にし、シャシャーンカ王の元へ向かった。
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