第4話 中学生(2)

2年生では腐女子になった。

これまた驚くことに周りに隠れ腐女子が沢山いたのだ。


クラス替えをして仲良い子とは離れたけれど腐女子同士で仲良いグループができた。


同時に、男子からいじめられるようになった。


腐女子だから、地味だから、なんて理由じゃなかった。本当に誰でもよかったらしい。


その中の男子の1人が地元で有名な会社の社長の一人息子だった。


私も背丈はあるけど彼も大きかった。

かなりのワガママで暴君。


お小遣いもかなり貰っていたみたいで、羽振りがよく、クラスの男子たちは彼の言いなり。


彼が私に○○しろ、というと周りの男子たちが動く。


そんな日常だった。


それでも言葉だけで直接殴られたり物隠されたり盗まれたり、なんてことはなくて仲いい子も居るし…。と、あまり気にしてなかった。


その平然とした態度がむかついたのだろう。


学年全体の男子が私をいじめるようになった。


それでも内申を気にしてる男子や気弱な男子は関わろうとしなかった。


でも何故か私は辛くなくて、毎日学校へ行っていた。


そのなかでも毎日共にしていたのは、

アケミとサキとカオリ。


アケミの先輩に少し悪い人がいた。

喫煙飲酒は当たり前。

ライターガスを吸ってキメるガスパン。

万引き、至る所でたむろ。


アケミの先輩ということで必然と仲良くなって、犯罪だとわかりつつも万引きをするようになった。


最初はほんの出来心。


かわいいシャーペンがほしかった。

でもお小遣いを貰ってない私は買えなかった。


先輩にやり方を教えられ、その通りにやってみると警告ブザーが鳴ることもなく誰にも気づかれず手中にほしかったシャーペンがあった。


しばらくは罪悪感で使えなかった。

机の引き出しにしまったまま。


ある日母親に見つかった。


「このシャーペン初めて見たけどどうしたの?」


冷や汗と動悸が止まらない。


「サキから貰ったの。かわいいね!私も欲しかったやつ!ってシャーペンの話から仲良くなったんだ。種類違いのあるからあげるよってくれたの」


自分でも驚くほど、息をするように嘘つけた。


と、思っているけど本当のところは分からない。きっと不自然だったと思う。


小さなお菓子やアクセサリー、化粧品、文房具…。

回数を重ねる毎に罪悪感は減っていく。

終いには、万引きしたものを入れる袋まで万引きしていた。


CDや本なんかもした。

売ったらお金になるよね!?なんて安易な考えで。

未成年は保護者なしでは売れないので結局手元に残ったまま。


今思い出しても、とんでもない量を盗った。


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