第5話 中学生(3)
バレたきっかけは覚えてない。
この時のことで思い出すのは校舎の隅の狭く寒い汚い部屋。
固いソファにホコリが被った備品。
放課後は毎日、担任に呼び出されてこの部屋で話を聞かれた。
アケミとサキとカオリは違う部屋で話を聞かれていた。
また少し記憶が飛んで、それぞれの保護者と担任、学年主任や校長などを交えて万引きの件について話し合いをしているシーン。
カオリの母親はかなり過保護で、私たちと関わったからカオリはこうなった。無理やりやらされていた。カオリは何も悪くない。と…
ノンフィクションと言う割にはここの記憶が曖昧で申し訳ない。
私たちは謹慎処分を受けた。
自宅待機して反省文を書いてきなさいとのこと。母親には鬼のように怒られた。
初めて母親の泣き顔を見たのはこの時。
父親は無関心だった。
ばかだなあ、と言っていたけど教育に関してはあまり関わらずといった感じ。
私は母親に連れられ、万引きしたお店へ行き頭を下げた。
実際、どこでなにをどのくらい盗んだのかわからなくなっていた。
ここのお店が1番多かった、ここは1回しか、なんて回数は覚えていたので多く盗んだと自覚のあるお店は4店舗あった。
各、100万ずつ合計400万用意して頭を下げてくれた。
受け取ったお店はなかった。
謹慎がとけて、登校し始めるとカオリは親に言われた通り私たち3人には関わらなかった。
アケミとサキとは卒業まで一緒にいたけどカオリは1人だった。
3年生に進級する頃に私たちはまた問題を起こしてしまった。
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