第18話
『なりり』がサクラだけに秘密を暴露して居た頃、算数の先生はトイレで念入りに髪を洗うと、友人の理科の先生に、手紙を書いて、帰宅してしまった。
それで、モミジは先生も居ない事だからと、保健室にやって来た。
「グル?」と私を騙したの?という『なりり』にモミジは「違うよ。サクラが心配なだけ」と、そつなく答えた。
保健室のベットに座っていた二人は別々の態度をとった。サクラはモミジも座ればと言わんばかりにニコニコしてるのだが、なりりは嫌そうな顔をしていた。保健室の窓を開けて「梅雨だから換気するね」とのモミジに、なりりは少しだけ、緩和した態度になった。涼しい風が入ってきて三人は深呼吸をする。なりりは「今日話した事は、まだ言わないで」と、サクラに釘を指した。「頑張ります。でも」もしもらしたらごめんなさいとサクラは言った。モミジは窓から外を眺めながら、「解った。無理に聞きださない」と、なりりに約束した。したら、なりりが「こっちに来なよ」と言ってサクラと座る位置を変えた。だから、なりり、サクラ、モミジの順でベットに座ることにした。
「算数の先生帰ったよ」サブリーダーに卵を投げつけられて。「泣いていたかもしれない」とモミジは現状を二人に伝えた。「やっぱり私が悪いんだ」と声のトーンを落とすなりりに「サブリーダーが悪いのに、なりりさんは悪くないと想うよ」と、何も知らないモミジは言った。そんな二人に挟まれながらサクラは、どーしよう?という顔をしていて、「あーもぅ」と降参した、なりりが「モミジ君にも話すね」と、ボソボソ言い出した。真ん中のサクラは気まずいまま、なりりが話した。「私、既婚者だけど、理科の先生が好きなの。だから友人の算数の先生に協力してもらって居るんだけど」「算数の先生は私が好きな訳じゃないし、朴念仁だから、安心してスキンシップをとる仲なの」 と。「ふうーん」と驚いた顔をしたモミジを見て「だけど、絶対に報われない恋だから苦しくって」浮気じゃないけど、サブリーダーにも良い顔して「甘えてたんだ」と、言った。「サブリーダーは相思相愛だと想ってるんだね」とモミジに「わからない。まだ理科の先生が本命とバレてない代わりに算数の先生が酷い目にあってるから、そうかもしれないし、遊びと想ってるかもしれない」となりりは言った。
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