第19話

なりりが紅いリップを付けてきた日があったけど、その前日、サブリーダーとなりりが少しだけ仲良くなったから、「本命視されてるのかな?」と、なりりは不安そうに言った。「なりりは前日にサブリーダーに何をしたの?」と、珍しくサクラが言ったから、「好きな先生に、報われないから、強く抱きしめて」と、言ったと。

それで、算数の先生に苛めが集中してるんだと、サクラとモミジは解った。「かもしれないだけど」と言うなりりに「紅いリップ似合ってたからな」とサクラが言った。覚えてたの?という顔をなりりはしたから、サクラは「綺麗ななりりさんにモミジがときめくと嫌だな」って想ってたから、とサクラは「ヤキモチやきました。ごめんなさい」となりりとモミジに謝った。

「わりぃ。覚えてない」と返したモミジに、なりりは「良いな。相思相愛のフィアンセか」と、羨ましがった。

ふふと笑うサクラと照れるモミジ。

「で、どうするの?」と照れ隠しをしながらモミジは、なりりに聴いた。したら、辛そうな顔をして「まだ解らない」と寂しそうな顔をした。報われない禁断の恋だけど、算数の先生に作ってもらったチャンスを利用してる時が、一番幸せだからと、なりりは伝えた。「でも、それじゃあ、算数の先生が可哀相だね」とのサクラに「でも、お礼にカッコよくシャツをインしないお洒落を教えてあげたから、女子からは好感度上がってるんじゃないかな?」とのなりりにサクラは「違います。クラスから苛めにあってて、心と身体の病気になって居ると想います。」とサクラは算数の先生が可哀相ですよと、なりりに告げた。「でも、私の報われない恋に比べたら、」と言いかけて黙ったなりりにモミジが「なりりには悪いけどサクラがサブリーダーと濃厚なハグして、翌日、紅いリップを付けてきたら」自分はおかしくなると。責められてると、なりりは「だって、完全に片想いだもん。私だって、好意的な男子からドキドキをあじわいたいよ」と、なりりは呟いた。

それに「なりりの恋しい理科の先生に被害が及んでないけど、なりりが甘えてる算数の先生は苛められて可哀相だ」とモミジは真剣な顔して、吐いた。その気にされてるサブリーダーも可哀相だと。

「もういい」相思相愛のフィアンセ達には私の苦しみが解らないんだ、と呟いて、3人で座っていたベットから立ち上がった。何か言おうとしたサクラは結局何も言えなかった。「忘れて」私の事だからと、なりりは保健室のドアをスライドして出ていった。

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