第10話
算数の自習の時間内に、宿題のプリントを終えたサクラと違って、モミジは半分も出来てなかったから、宿題にする事にした。休み時間に、サクラがモミジの後ろの方の席に行きとても小さい声で言う「なりりさん、不良じみた男子達が、算数の先生を苛めるから、解らないところ、全然勉強が出来なくって可哀想です」と。それにモミジはとても小さい声で言った。「自分はアレはヤラセだと想う」咄嗟に本音が出た。まだ何の確証も無い事を口開いてしまった。「pardon?」と不思議顔。いやぁ「まだ何の確証もないから忘れて」とモミジ。「なりりさんの勉強熱心さに疑う余地でもあるのですか?」サクラは不満気だ。「だから、サクラにお願いがある」と作戦をサクラの耳に囁いた。「理由は解らないけど、なりりさんの好きな人を探ったらいいのですね?」サクラも耳に囁く。「自分との婚約関係で、恋ばな出来る女子が居なくってという設定にして欲しい」モミジはサクラの次の時間の為に出したノートにメモした。今度から筆談にしようと、仲睦まじい二人を見てきゃーきゃーいう女子達への影響を考えてモミジは締めくくった。『了解です』と右手で合図をするサクラに先ほどの至近距離を想いだし、ほっぺただけ赤くなるモミジだった。『不思議顔』して微笑むサクラにモミジは「至近距離だったから。それとそんな可愛い顔は二人っきりの時だけ」と焼きもちやくからと、オデコも赤くしながらモミジはサクラに言った。気不味いので、サクラの整髪した髪をくしゃくしゃと撫でた。
至近距離を想いだしサクラのほっぺたも赤くなった。チャイムが鳴るまで、二人でそうしていた。じゃあと急いでサクラは窓際の席に戻った。間一髪、国語の先生が教室のドアを開けた。 そして何時もの様に授業は始まり、不良じみた男子達が騒ぐ事もなく、静かに授業は進行し終えた。給食の時間までそれは続いた。学年で一番美少女の『なりり』にサクラは一緒に給食しようと声をかけた。「良いよ」と教卓前の席のなりりは給食を持ってサクラの机の側にやって来た。今日は給食をおきっぱにしたまま、モミジが職員室を覗いて居たから、二人で初めてのランチをするサクラとなりりだった。
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