この木誰の木?

夢莉「このまま歩いていてもどこかに着く気がしない…」

陽那「どうする?」

夢莉「考えていても仕方が無い。あの方法を使うしかないな」

そう言うと、足元にあった木の枝を拾った。そして杖のように立てた。

夢莉「そしてこれをー…こう!」

手を離し、木の枝は倒れた。

夢莉「これで行く方向は決まったね!あとは前進あるのみ!」

陽那「なるほどー。ってならないからね!」

夢莉「まあ今回は信じてよー」

行く宛てもないので簡単に着いてきてくれた。ルールはできるだけまっすぐ歩くことだけだ。

数時間後、見た事も無いような大きな木に辿り着いた。日陰にもなっていたので休憩していると、上から何か落ちてきた。

夢莉「なんだなんだ?」

陽那「あ!あれ!」

なんと上にはモンスターが住み着いていた。

陽那「逃げろーー!」

夢莉「なんでこうなるのーー」

??「待ってくれ!」

夢莉「あなたは?モンスターのように見えますが」

ロイ「この木の上のモンスターのボス、ロイです。驚かしてすみません」

結構礼儀正しいモンスターの様でこっちに敵意は無いようだ。

夢莉「ここに住んでいるんですか?」

ロイ「はい、我ら種族は木の上で生活しています」

陽那「登ってもいいですかー?」

ロイ「あなた方は信用出来るので大丈夫です」

いきなりの来客におもてなし出来ないと言われたが、モンスターがそこまで気遣い出来ることに驚いた。

夢莉「単純な疑問ですが、なぜ木の上なんですか?」

ロイ「木の上は他のモンスターに襲われること無く、木の実もあり快適だからです」

本当にしっかりしている。この種族は人間とも共存できる可能性が高い。

陽那「それにしても高い木ですね」

ロイ「ここからなら見晴らしも良く、登るのも大変なので襲われないですよ」

陽那「安全なんですね!それにしてもこの木の実美味しそうですね!」

ロイ「おひとついかがです?」

美味しかった。前の世界のリンゴに近いものだ。

一つ頭をよぎった。これをハニービーの蜜に漬けると絶対に美味しい。とりあえず今日は寝る事にした。

翌日。

夢莉「できた!」

ロイ「これは?」

夢莉「実を蜜に漬けたものですよ、もっと甘くなってますよ!」

食べてみると、全員が美味しいと絶賛だった。そして、泊めてくれたお礼に蜜をプレゼントした。お返しに木の実を沢山貰った。

陽那「また会おうねー!」

ロイ「はい!いつか!」

こうして、不思議なモンスター達との不思議な夜を過ごした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る