寒さには寒さで?!

今日は雪が沢山降った。

夢莉「雪といえばー?」

陽那「かまくらー!」

この会話をみんなの前でしても、ピンと来た人はいなかった。この世界ではかまくらは存在しないのだ。

かまくらには不思議な力がある。寒いはずの雪の屋根の下なのに、何故か暖かい。そしてその中で食べるご飯は格別だ。

夢莉「早速作っていこー!」

私達指導の元、それぞれが作業に入っていく。雪を調達する人、それを運ぶ人、形を作っていく人、それぞれが楽しそうに作業をしている。

街人1「普段の雪かきと同じはずなのに、楽しい!」

街人2「体動かしていると暖かい。汗かいてきたぞ!」

せっかく雪が降っているのにこの文化が無かったのは勿体ない。雪は邪魔な物としか思っていなかったのだ。

陽那「なんか童心に返ったみたいだねー」

夢莉「あんたはまだまだ子供でしょ!」

陽那「同い年なのに……」

そうしている内に、かまくらは完成した。さすがに多くの人手があったので出来は素晴らしいものになった。

一斉に入っていく子供たち。満足してくれていたようだ。

夢莉「さぁ、今日はこの中でご飯を食べるよー!」

子供達「何食べるのー?」

夢莉「私達の故郷でよく食べていたお餅だよー!」

街の人全員がポカンとした。しかし、かまくらで鍋をするなら、お餅は絶対に入れるべきものなのだ。

何故できると思ったかと言うと、この街の米は粘り気が強いからだ。

陽那「夢莉ー、餅つきの準備はできたよー!」

夢莉「皆さん!まずは餅を作るところから始めます!やり方はこうです」

2人の息のあった餅つきが披露された。すると、子供たちがやりたがった。

そうして、餅つき大会が終わった。色々なアレンジをして少し消化して丁度いい量になった。

そして鍋もいい感じになってきた。鍋の熱でかまくらが溶けないか心配している人もいた。かくいう私も昔はそうだった。

夢莉「さぁ、出来ましたよ!」

そうして鍋を開けると、煙と共にいい匂いが立ち込めた。

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