新しいアイディアは使いよう?
夢莉「水の上で安全に火をつける方法なんてあるわけないよね……」
陽那「現実的には考えられないよね」
水の上で火を焚くという行為は今までの前例でもない事だった。しかし、それが私達の心に火をつけた。
夢莉「やってやるわ!なにか見つけてみせる!」
今までみたいに簡単に物事が進むとは思っていない。そして成し遂げられるとも思っていない。でもやってみせる。
夢莉「絶対魔法は使うはずなんだよなー」
物理的に無理な物は魔法を使えばどうにかなる事もある。
陽那「いつも以上に悩んでるね」
夢莉「でも、楽しい!!無理だと言われると更に燃えてくる!」
そうして一つの方法が生まれた。
それは、焚き木の下の部分だけに、水に濡れない魔法をかけて浮かせて使うという方法だ。
そしてそれは大成功した。とりあえずは試作用にやったので、まだ公表はしない。
改良に改良を重ね、ついに発表する時が来た。
夢莉「これでこの街がもっと良くなればなー」
陽那「それを願おう!」
発表後すぐに使う人が増えた。魔法も簡単なものを掛け合わせただけなので、意外と使える。私たちはすごくいい待遇をされていた。
陽那「このままこの街にいたいよ〜」
夢莉「だめだよ!この街での目的も達成したからそろそろ次の所に行くよ!」
そうして決まったのは、雪の村"スノールド"だ。見送りはこれまでに無いほど盛大にされた。この街の発展に寄与したから当然だ。
スノールドは結構近いこともありすぐに着いた。
夢莉「寒いねー」
陽那「どこを見ても雪ばかりだよ」
この村はどこもかしこも雪ばかりだ。そして、村の人はかまくらで暮らしている。
とりあえず食事を出来る場所に入って食事をとった。その机には見た事のある街の名前と大きい火が記事になっていた。
"水の都ウォークス大火事で大損害"
陽那「この記事って」
夢莉「たぶん、あの街で火を使った脅しが流行したらしくてそれで……」
私達のアイディアは、ウォークスに大きな力をもたらした。
同時に、このアイディアを悪い人の手に使われる事までは予測していなかった。
何かを発明するという事は、それを悪用する人の事も考えなくてはならない。
私達はこの件を知らないフリで流す事にした。だって悪用する人が悪いからしょうがないのだ。
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