離れていても心は一緒?

陽那「狭ーーーーーーーーい!!どうにかしてー!」

夢莉「うるさいー。もう夜だから迷惑だよ」

陽那「一人用のテントに二人はさすがに無茶だって」

確かに狭いし無茶だ。このままだと何も出来ないので、離れた場所でそれぞれ夜を過ごすことに決めた。

夢莉(一人のキャンプって初めてだなー。何をすればいいか分かんない)

何か特別なことをすることも無く、寝る準備をして、寝てしまった。

陽那(一人のキャンプも少し興味はあったんだよなー。でもいざやると何もすることない)

陽那もほとんど特別なことをすることなく、眠ってしまった。特別なことといえば夜に夜食を食べたくらいだ。いつも夢莉に止められていたから、少し嬉しかった。

次の朝。会った時にこの上なく喜んだ。居なくなると大切さが分かるのかとしみじみ思った。

陽那「まさか夢莉がいないだけでこんなに寂しくなるとはねー」

夢莉「私の大切さやっとわかったの?」

陽那「最初から分かってましたよー」

夢莉「絶対口うるさい姑見たいだと思ってたよねー?」

陽那は目を逸らした。これは罪が重いぞ。

夢莉「今日はどうする?」

陽那「せっかくだし街を回ろうよ!情報集めも兼ねてさ!」

この答えが帰ってくるのは予想出来ていた。この街での移動手段は手漕ぎの船だ。毎日使うものなので街の人はタダで乗れる。その代わりに観光客からはお金を取っている。ずるいと言うか、賢いというか……

そうして今日はこの街で買い物をした。魚介、水を凌げる木、怪しい水。

沢山巡っていると、キャンプの道具を売っている店があった。そこには水の上でも作れるテントが売っていた。この街では当たり前らしく、低価格だ。

夢莉「これを使えば解決だね!」

陽那「これで寂しくないよ!」

その日の夜。この街では不可能だと思っていた二人でのテント暮らしが始まった。

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