キャンプ対決?!

私達がこの村の生活に慣れ始めた頃、私達のキャンプ知識が異世界では珍しい物が多かったらしい。

例えば、テントを組み立てる事から珍しいらしい。他にも、火のつけ方等々、そしてそもそもキャンプの在り方も違う。

前の世界では、楽しむためにキャンプをしていた。しかし、この世界では生きるための手段でしかない。

なので、楽しそうにやっている私達を少し嫌がっている人もいる。

そこで、村人"カルカ"、がキャンプ対決を申し込んできた。カルカは、実用的なキャンプしかしないことで有名だ。

対決の内容は、どちらのスタイルがより良いかを村人に審査してもらうというものだ。

私達は"より良い"がよく分からなかったので、いつも通り楽しくキャンプをしていた。

一方、カルカは無駄の無い実用的なキャンプをしていた。全ての動作をできるだけ短縮し、やらなくてもいい事はやらないというスタイルだ。

私達が昼食の準備をしている頃、カルカは夕飯の準備をしていた。そのスピードには他の村人も驚いていた。

そして、私達が夕飯を作った頃にはカルカは食べ終えて眠る準備に入っていた。

そして次の日、村人の審査が始まった。村人は少ないので、全員で集まって挙手制である。

村人 「カルカの方が良かった人ー?」

ポツポツと手が上がっていた。

村人 「夢莉・陽那が良かった人ー?」

すると沢山の手が上がっていた。

村人 「夢莉・陽那の勝ちー!」

カルカ「信じられない、」

陽那 「カルカのキャンプはスムーズだけど、楽しさが無かったんだよ」

カルカ「キャンプに楽しさはいらないはず、」

夢莉 「キャンプはやっぱり楽しいものなんだよ」

カルカも心の底ではそう思っていたらしい。しかし、自分がそうすると、この村の生活が緩くなることを恐れ、あえて実用的なことばかりしていたのだ。

カルカ「今日からキャンプを思ったままに楽しむよ」

そうして私達はまたこの村で注目を浴びた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る