第二話 ~少女と死神~
ある日の昼下がり、死神は人通りの多い
「…今日は
死神にとって病院は
俺は人通りが多い道を抜け、ここから近い病院に足を進めた。病院まではそこそこ
病院につくと病院に入る前に俺はポケットからとある
「この薬あまり飲みたくないんだよなぁ…」
その薬は
「ゔっ……」
感想としては
’’
ただ、これにより、一時的に
俺は病院の中に入ってく人の後ろについていき、一緒に病院の中に入っていく。
「気をつけて進まないとな。」
病院の中は、人が多く病院関係者には姿が見えないためよけながら進まなければならない。もし、ぶつかってしまったら相手からは見えもしない壁に当たった感じになってしまうからだ。ましてや、ここが病院ということもあり
「……そこの人。ちょっとこれを外してもらえないか」
「……」
歩いている
そして、男性の呼びかけを聞いたナースが
「すいませんが、それは必要な時以外外すことはできないんです。」
「わしは、あそこにいる人に
男性は俺がいる方向に指を向ける。ナースは男性が向けた指の方を見てみるが、ナースの目には誰も
「…誰もいないじゃないですか。」
「そんなことはない。あそこにいるだろう!」
「いませんよ。とにかく、これは必要な時以外外せないので今はおとなしくしていてください」
男性はナースにもう一度、俺がいる方向に指を向けるがナースの目にはやはり映らない。ナースは少し強引に男性に説明して、その場を離れる。俺もそれと同時にその場から離れて病院内を進みだす。
…ガチャ
ドアを
「…たまたま、開いていただけか。」
鍵が開いていたので誰かいると思ったが、屋上はとても静かで誰もいない。
「静かだし、
俺は屋上のフェンスに近づき、外の景色を
忙しくしてる人も幸せそうにしている人もいつか死ぬのだと、景色を眺めながら思った。
「思った以上にここにいてしまった。そろそろ行くか。」
俺はフェンスから離れ、先ほど来たドアに手をかけ開ける。
…ガチャ
開けた瞬間誰かが俺にドンっとぶつかってきた。
「……うわぁ⁉。」
ぶつかってきた人は反動でしりもちをついた。
「いてて…。」
「すまない。大丈夫か。」
俺は倒れた人に手を差し
ただ、今倒れたのが余命が近い人じゃなかったら、俺のことを見ることが出来ない。その場合どうしよう。勝手にドアが開いた上に、見えない壁にぶつかって、大丈夫かと声だけが聞こえることになる。しかも、ここは病院。
ホラーだ。
俺はそんなことを思い、差し伸べた手を戻そうとしたが、倒れた人は俺の手をとり
「ありがとう。いきなりぶつかってごめんなさい。」
「いや、こっちこそすまない。まさかドアの前に人がいると思わなくて。」
「ううん、元々ここ立ち入り禁止の場所だしドアの前に立っていた私が悪いんです。ごめんなさい。」
倒れた人は、高校生ぐらいの少女だった。髪は黒髪で肩ぐらいの長さで、目はクリッと大きく
(どういうことだ?。〈?〉なんて数字見たことないぞ。)
「君はここにいる
俺は少女に質問する。
「…まぁね。私、よくここに来るんだ。ここ静かだし景色もいいでしょ。ほんとは来ちゃダメなんだけどね。でも、まさか人がいるとは思わなかったよ。」
少女は笑いながら答えた。
さっき病室を見て回った時には、こんな少女を見ることはなかった。おそらく、外かどっかに出ていて気付かなかったのだろうか。
「君、名前はなんて言うんだ…。」
「ふふ。急に聞いてくるね。まさか、
変に
「…そんなわけないだろ。」
「
死神ともあろうものが、初めて会った少女にからかわれた。
「あなた面白そうだから、特別に教えてあげるよ。私の名前は凛。’’
これが、俺と少女の出会いだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます