第2話
俺とセバスは、転移の魔法で屋敷のある町街の近くに転移をした。
「ここからは歩いていくぞ」
「それがよろしいかと。それと顔は隠した方が良いかもしれません」
「そうだな」
俺とセバスは、フードを被り歩き出した。
それから少し歩き街の入口が見えてきた。門番は2人おり、出入りする物を確認している。
それにしても、この街を治める領主が殺されたと言うのに、随分普通だな。
「父上や母上が殺されたことは、発表されていないのか?」
「たぶんそうでしょう。領主が殺されたと知れ渡れば、街の人間達はパニックになるでしょうから」
「だからと言って、いつまでも隠せるわけなかろうに」
そう思いつつ、俺は門番の所まで行った。
「ここを通りたいんだが」
そう言うと門番が此方を向いた。
「こ、これは!エ・エン!」
門番が言い終わる前に、セバスが門番の口を抑えた。大声で俺の名前を言われると困るからな。
「通ってもいいかな?」
もう一度門番に言うと、静かに2回頷いた。
「弾き続き頑張りたまえ。行くぞセバス」
「はい。では失礼します」
そう言うとセバスは、抑えていた手をどけ俺の後へと続いた。
「・・・・」
門番は、呆気た顔をしてエンド達が通り過ぎて行くのを見ていたのだった。
門を通るとたくさんの人達が行き来していた。買い物をする者、知り合いと話す者など、様々な人達がいる。
「とりあえず屋敷まで行くぞ」
「かしこまりました」
屋敷に向かって歩く。
「それにしても本当に何も知らないんだな」
俺はセバスに向かってそう言った。
「そうですね。知らないとはいえ街の領主が死んだと言うのに、これ程までに呑気だとは、人間とは醜い生き物です」
「ククッ。セバスよそれが人間の魅力でもあるんだぞ」
そう言うとセバスは嬉しそうな顔をした。
「さすがですエンド様。やはりエンド様は世界を支配する方に相応しい」
「それはまだ先の話だよセバス。だが必ず世界は支配下におく。そして全てを手に入れるのだ」
セバスと話していると、すぐに屋敷へと着いた。
中に入ろうとすると・・・
「止まれ!!」
後ろから声が聞こえたので振り返ると、数名の騎士がいた。
「貴様ら何者だ?」
数名の騎士の中から、代表であろう女騎士が出てきた。そんな事より、騎士たちの鎧の紋様に目がいった。あの紋様は確か、王都直属の部隊の紋様だ。
まさか、王都からわざわざ来るとはな。
「これは失礼しました。王都から来られた騎士様にこの様な格好でありますが、自己紹介させていただきます」
俺は騎士達の前に出ると
「私の名前はエンド。エンドルークフェルトといいます」
全てを支配する者 こたろう @marimo0214
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