〈他家紹介12〉〈宗派紹介12〉

〈他家紹介12〉

大原氏

 千葉氏の一族。葛西家中最大の家。千葉宗胤が下向し大原氏を名乗ったことが始まりとされる。千葉宗胤の弟胤衡が跡継ぎの居なかった葛西家の養子に入っているとされるが家系図が複数あり判然としない。とりあえず葛西の家臣にはなっていたことは間違いなさそうではある。

 大原氏の存在が確実となるのは1474年(文明六年)に気仙沼城の熊谷直氏が親子喧嘩に負けて頼ってきたあたりから。

 薄衣状の大崎・葛西を巻き込んだ明応の乱では大原氏も親子に分かれて相争い、最終的には伊達氏の仲介により和睦し、天文の乱では葛西太守と共に伊達晴宗側に立った。

 そして戦国時代が終りを迎える1590年(天正18年)の小田原征伐で参陣せず改易され、その後は没落し以後不明となる。

 本作では主人公を裏切った葛西太守の助命嘆願を行い、助命の対価として葛西家に付き従って蝦夷開拓へと向かった。大原刑部本人では無いが再登場の予定が未定。


氏家氏

 藤原北家宇都宮氏流とされる。早い時期に宇都宮氏から別れた一族で、奥州に下向したのは1337年(建武4年)、奥州探題に任じられた斯波兼頼(最上氏の祖とされる)の執事として随行したことに始まるとされるが諸説あり。

 いずれにしても大崎氏の執事として権勢を誇ったの間違いがないようす。一方で大崎家の主流派たる笠原氏とは仲が悪く、反主流派として反乱を数回起こしている。とくに1534年(天文3年)、中新田ら数家を誘って大崎に反乱する。この際は大崎義直だけでは鎮圧できず伊達稙宗に援軍を頼むという、伊達と大崎の立場が逆転する原因の一人。

 なお後年、伊達政宗を迎え撃った大崎合戦では大崎方として伊達軍に大勝するが、大崎氏の国力は限界を超えており奥州仕置で伊達氏に取り込まれ、その後嫡流は途絶えている。

 本作では執事として大崎義兼の助命嘆願を行い、これまた付き従う形で渡島国檜山郡へと移住していった。なお登場予定はございません。


ウィルタ

 中部樺太に存在した先住民。アイヌ語でオロッコ、ロシア語ではオロックスと呼ばれる。

 かつて粛慎みしはせというふうに思われたこともあるが確定していない。ツングース系民族。日本統治時代は内地の戸籍を得られたアイヌと異なり、日本人としての扱いはされない「土人」として扱われていた。

 ソビエトになってからは集団農場に送り込まれたりしたため現存するウィルタ人はロシアに残る300人弱、日本に移住した数十人などごく少数となっている。


ニヴフ/ニブフ

 間宮海峡の両岸からハバロフスク周辺まで存在した部族。

 いつから存在していたかはわかっていない。北米のアルゴ語族の遠い関係性が指摘されているが確証には至っていない。史学的にはっきりしているのは樺太の先住民で13世紀にアイヌが侵攻してきた際、モンゴルに救援を依頼し蒙古の樺太征伐を引き起こしている。その後は元の属領となっていた。

 17世紀にロシアが東進してくると深刻な被害をうけ、ロシア人を「悪魔」と呼び恐れた。またソビエトになると今度は新石器時代から社会主義時代のモデルケースとして扱われ伝統的な文化は喪われていった。

 現代においてはサハリンⅠ・Ⅱの油田開発に危機感をいだいて民主的な抗議を行っているとされるが、ウクライナとの紛争勃発後どうなっているかは不明。

 なお他のシベリア原住民とは異なり、異族結婚の傾向がある。

 住居は竪穴住居に土を被せて気密性あげる工夫がなされている。

 現在のニヴフ人は4600人程が間宮海峡両岸に分布している。


〈宗派紹介12〉

古神道

 これも宗派というほどではないと思いますが便宜上そうさせていただきます。

 原始宗教の一つともされる。自然崇拝・精霊崇拝・祖先崇拝にシャーマニズムなどとそれらの結果によるまつりごとを行う。

 江戸時代以降に発達した復古神道の流れで国学者の平田篤胤が提唱した考え方で、儒教や仏教の影響を排除し記紀に基づいた考え方。

 明治期以降の儀礼としての国家神道と異なり、宗教性を強調されていき一部の教派神道に繋がっていく。

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