第24話 戦闘終了、、そして
ジェネラルとの戦闘を終え私達は、オーク、ジェネラルの解体処理は後にして一先ず休憩していた。
「それにしても、手強い相手だったなジェネラルはアカリがいなけりゃ勝てなかったぞマジで」
「いえ、私があそこまでスムーズに戦闘出来たのはザックさん達が先にジェネラルに傷を負わせてたからですよ?まぁ、最後に油断してモロに吹き飛ばされましたけど」
「謙遜すんなよ。そういや、そうだ。怪我は大丈夫なのかよ。あれだけ派手に喰らって」
「そうよ!!アカリちゃん大丈夫なの?痛い所はない?」
「まだ、痛みは有りますけど何とかギリギリ大丈夫です」
実際結構痛むけど、派手に動かなければ最初程の酷い痛みは感じない。
恐らく再生スキルが発動してゆっくり治っているのだろう。
どれぐらいで治るのかはわからないが今日中には、治るんじゃないだろうか。
「なら良かった。それじゃあ、休憩は終えてそろそろ解体処理をするか。アカリは、休んでろ。イリア周りの警戒を頼む。グズダス処理に行くぞ」
「了解したわ」
「おう。さっさと終わらせよう」
そうして、オークとジェネラルの解体処理を始めるべくそれぞれ立ち上がり作業に取り掛かる。
私も、休めとは言われたがせめて周りの警戒位は手伝おうと思い索敵スキルを発動した。
「……え?」
私は、索敵の反応に驚く。
何故なら、索敵にはこちらに近付いて来る何か大きな反応が1つあったからだ。
それも、反応からして先ほどのジェネラルよりもヤバそうに感じられる様な奴が。
こんなの、ジェネラルに苦戦した私達なんかじゃ勝てない。
私は、慌てて声をあげる。
「待って!!何かヤバいのが近付いて来てる!!」
「は?おいアカリ、ヤバいのってどういう事だ?」
「どうしたのアカリちゃん?」
「だから、ヤバいのが!!早く!!早く逃げないと!!」
「いや、だから、ヤバいのって何が来るんだよ」
いきなり私が大声を出したのにザックさん、イリアさんは疑問を浮かべる。
確かに、今は私達にソイツは見えていない。
しかし、私は索敵で段々近付いて来る反応に焦りこの事を上手く説明出来ない。
私達がそんな言い合いをしてる間に音が聞こえてきた。
「何の音だ?」
「何?何処から?」
「??…足音?いや、何かの折れる音か?」
ズシーン!!! ズシーン!!! ズシーン!!!
ベキバキ!!! バキバキ!!! バキボキ!!!
地面を踏み締める重く響く足音。
太く硬い木々がへし折れる音。
そんな、音が段々と近付きとうとうソイツが私達の前にその姿を現した。
ソイツは、ジェネラルよりも更に巨大な8、9メートルはありそうな体長、1つ目で人間等ひと飲みしそうな裂けた口、そして筋肉質な黄土色に近い色の身体をしていた。
「嘘だろ……逃げろ!!!」
ソイツを見た瞬間ザックさんは、そう言い全速力で駆け出し私達もそれに従い走り出す。
「何であんなのが居るのよ!!」
「知るか!!とにかく逃げる事に集中しろ!!」
私は、あれが何なのか気になり聞こうと思った。
しかし、あまりにも鬼気迫る表情をしているザックさん、イリアさん、グズダスを見て聞く事を止めた。
3人の顔からして索敵で感じた通りあれは本気でヤバいのは間違いなさそう。
私は、せめて少しでも正体を探ろうと思い顔だけ振り返りソイツを鑑定をした。
そして、後悔した。
────
名前:なし
種族:サイクロプス
状態:通常
LV:18/30
HP:425/425
MP:79/79
筋力:521
耐久:463
敏捷:352
魔法:61
─スキル─
【豪腕Lv4】【堅牢Lv8】【物理耐性Lv4】
─称号─
なし
────
そこには、あまりにも格上のステータスが記されており今の私何かじゃ太刀打ち出来ない鑑定結果が示されていた。
「『バキボギ!!!ムシャムシャ!!!ベキボキ!!!』…!!グゴアアァァァ!!」
「ヤバい!!こっちに走って来た!!」
私達が倒したジェネラルを食べていたサイクロプスは、私達の事に気付き獲物と捉えたのか咆哮をあげながら私達に向かい走って来た。
「おい!!どうすんだ!!」
「クソ!!別れて逃げるぞ!!お前ら!!何としても生き延びろ!!」
グズダスの怒鳴る様な声にザックさんも怒鳴り返す様にそう返し私達は別れて逃げる。
ザックさん、イリアさんは右方向へ私とグズダスが左方向へと別れた。
そして、後ろから追い掛けて来ていたサイクロプスは…………
「グガアァァァ!!!」
私達の方へと向かって来た。
クソ!ただでさえ身体の痛みで全力で走れなっていうのに。
私は、一度振り返りサイクロプスとの距離を確認する。
およそ距離は300メートルはありそうだ。
しかし、あの巨体なら1分も掛からず追い付く事だろう。
このままだと、すぐに追い付かれそう。
こうなったら!!
私は、走るのを一旦止めサイクロプスを一瞬でも良いから怯ませて隙を作ろうと魔法を放とうとした。
その瞬間
「え?……ゴフッ!!」
私は、突然背中そして腹部に謎の違和感を感じ視線を下げる。
そこには、赤色の液体に濡れた銀色の鋭利な物が私の腹部から飛び出していた。
後ろから剣で貫かれていた。
「グッ!!!、ガハッ!!…何……のつも…りだ……グズダス!!」
剣を引き抜かれると同時に背中を蹴り飛ばされた私は地面に倒れながら私を刺してきたグズダスを睨み付ける。
「あ?そんなの決まってるだろ囮だよ囮。そんな事もわかんねえのか?本当に馬鹿だな。そもそも、テメー調子に乗り過ぎ何だよ模擬戦の時も登録したばかりの癖に俺と同じDランクなのも。お前が今俺に囮にされるのはお前が調子に乗って俺の機嫌を損ねた自業自得だ。精々死なない様に無様に足掻くんだな。生き残れるかもしれねえぞ?ギャハハハハハ!!!」
そうして、糞野郎は不愉快な笑い声をあげながら走って行った。
ズシーン!!! ズシーン!!!
そして、とうとう私の直ぐ側にサイクロプスがたどり着いた。
「グア"ァ"ァ"!!!離せ!!」
無造作に持ち上げれ私は、身体の痛みに苦しみながらも何とか抜け出そうと抵抗する。
しかし、身体強化を使ってさえ全く抜け出せず痛みで集中出来ない中何とか魔法を繰り出す。
「グッ!!!か…鎌…鼬!!」
「…嘘」
何とか繰り出せた今アカリが放てる最大の攻撃。
しかし、それはサイクロプスに傷は付けたが対したダメージを与える事は出来なかった。
寧ろ怒らせる結果となってしまった。
「グガアァ!!!」
「ア"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!」
身体を握り潰す様に握る力が強められ身体が潰されそうになる痛みにアカリは、悲鳴をあげる。
しばらくの間それは続きアカリは、身体が潰される様な痛みに耐え続けた。
そして、サイクロプスが私を握る力を緩め安堵したのも束の間何故かサイクロプスは、私の片足を指でつまみ上げて顔の上まで持ち上げた。
そう、まるで食べ物を食べる時の様な。
私は、持ち上げられてようやく自分が今サイクロプスに食べられそうになっているのに気付く。
「いや、待って……嫌」
しかし、無情にもサイクロプスはその裂けた口を大きく開いていく。
「嫌だ!!まだ、死にたくない!!嫌!!待って!!嫌あァァァァァァァァ!!!!!」
「アム…『メキュ!!!ベキ!!!』…ゴクン」
口に入れられた瞬間アカリは、激しい痛みを感じたのを最後に意識が闇に包まれた。
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